彦坂匡克

彦坂 匡克

1991年1月18日生まれ、愛知県豊橋市出身のラグビーユニオン選手。主にウィング（WTB）のポジションで活躍し、ジャパンラグビーリーグワンに所属するトヨタヴェルブリッツで長年にわたりプレーしました。スピーディーかつ力強いランを武器に、チームの攻撃を牽引する存在でした。

幼少期から学生時代

彦坂選手がラグビーを始めたのは、故郷である愛知県の小学校に入学したばかりの頃です。以来、一貫してラグビーに打ち込みました。高校は愛知県の春日丘高校（現中部大学春日丘高校）に進学。高校ラグビー部では主力選手として活躍し、最上級生時にはチームのキャプテンを務め、リーダーシップを発揮しました。高校卒業後は、ラグビー強豪校である筑波大学へ進学。大学でもウィングとして研鑽を積みました。また、彦坂選手には双子の弟、圭克氏がおり、彼もまた同じラグビー選手です。二人は後にトヨタヴェルブリッツでチームメイトとなり、兄弟揃って同じクラブでプレーするという稀有な経験もしました。

トヨタヴェルブリッツでの軌跡

筑波大学を卒業した2013年、彦坂選手はジャパンラグビートップリーグに所属していたトヨタ自動車ヴェルブリッツ（現在のトヨタヴェルブリッツ）に加入しました。プロキャリアのスタートを切ったその年の9月1日、リーグ開幕節の豊田自動織機シャトルズ戦に先発出場し、公式戦デビューを果たしました。ウィングとしてすぐにチームの戦力となり、鋭い走り込みとトライゲッターとしての決定力で存在感を示しました。トヨタヴェルブリッツでは、トップリーグからリーグワンへとリーグが移行する過程も含め、約11シーズンにわたりチームに貢献し続けました。長きにわたってチームのウィングの要として活躍した後、2024年5月をもってトヨタヴェルブリッツを退団しました。

国際舞台での活躍

彦坂選手のキャリアにおける大きな柱の一つが、日本代表としての活動です。若い頃にはU20日本代表に選出され、将来を嘱望される存在として国際経験を積みました。特に7人制ラグビーでは、日本代表の中心選手として目覚ましい活躍を見せました。2013年にはユニバーシアード競技大会の7人制日本代表に選ばれ、国際的な舞台でその能力を示しました。翌2014年にはアジア競技大会の7人制日本代表として出場し、チームの金メダル獲得に貢献しました。

その活躍は世界のラグビー界にも知られるようになり、2016年にブラジルで開催されたリオデジャネイロオリンピックの7人制日本代表メンバーに選出されました。オリンピックという最高の舞台で世界の強豪相手に奮闘し、日本の7人制代表の躍進に貢献しました。さらに、自国開催となった2021年の東京オリンピックでも、再び7人制日本代表の内定選手として選ばれ、二大会連続でオリンピックに出場するという輝かしいキャリアを飾りました。7人制で培ったスピード、判断力、フィジカルコンタクトの強さは、15人制でのプレーにも活かされました。

長年にわたり、所属チームと7人制日本代表の両方で全力を尽くした彦坂匡克選手は、そのトライへの執念とひたむきなプレーで多くのラグビーファンに愛されました。愛知から始まり、学生時代を経てトップリーガー、そして二度のオリンピアンとなった彼の軌跡は、日本のラグビー界におけるウィングの代表的なキャリアの一つと言えるでしょう。

もう一度検索