彼のいる生活

彼のいる生活

『彼のいる生活』（かれのいるせいかつ）は、漫画家・宮田トヲルによるボーイズラブ漫画作品である。作者にとって初めての単行本作品として知られる。pixivコミック内のウェブ媒体『ビーボーイP!』（リブレ）にて、2018年7月31日から2019年7月2日にかけて連載された。

本作は、コミックス化を経て、2021年にはドラマCDとして、さらに2024年には実写テレビドラマとしても展開され、多くのファンを獲得している。

あらすじ

物語は、かつて幼馴染だった夏川涼太と田中一仁が、大学進学を機に予期せぬ同居生活を始めることから幕を開ける。二人は中学、高校と別々の道を歩んだことで疎遠になっていたが、それぞれの母親同士の強い繋がりと勝手な取り決めにより、ルームシェアをすることになったのだ。

引っ越し初日、彼女を家に呼ぶ際には事前に連絡するよう一仁に伝える涼太。しかし、容姿端麗で学業・スポーツともに優れた一仁が「彼女と長続きしないんだよね」と何気なく口にしたことに、涼太は疑問を抱き、彼の欠点を探し始める。試しに二人で疑似デートに出かけてみるが、涼太には一仁の非の打ち所が見つからず、なぜ彼が恋愛関係を長く続けられないのか、その理由は掴めないままだった。

そんなある日、アルバイトから帰宅した涼太はひどく疲労しており、ソファに倒れ込んでしまう。遅れて帰宅した一仁に優しく介抱される中で、涼太は「さむい」と呟き一仁にすがりつき、その流れで、二人は同じベッドで夜を過ごすことになる。翌朝、目覚めた涼太は、心配そうな顔をした一仁から頭を撫でられる。思わず「俺が女の子だったら、きっとドキドキしてるよ」と漏らす涼太に対し、一仁は、これまでの交際相手には身体に触れるようなことは一切しておらず、むしろ避けていたのだと打ち明ける。そして、彼が常に「他に好きな人がいるんでしょ」という言葉で振られてきたことを知った涼太は、その真意に気づき、次第に一仁への特別な感情を意識し始めるのである。

登場人物

主要人物

夏川 涼太（なつかわ りょうた）
声：小林千晃 / 演：坂井翔
7月14日生まれのA型。身長172センチメートル。妹がいる。趣味は家事全般で、好物は豆腐。世話焼きな性格で、両親が共働きであったため高校時代は家事を担い、完全に「主夫」状態だった。感情が表に出やすい素直な青年。

田中 一仁（たなか かずひと）
声：鈴木崚汰 / 演：佐藤瑠雅
10月6日生まれのO型。身長184センチメートル。一人っ子。スポーツは観戦もプレイも好き。好物は揚げ物やカレーだが、特に涼太の手料理は全て気に入っている。イケメンで文武両道、おおらかな性格で交友関係も広く非常にモテる。高校時代に怪我を負い、野球を続けることを断念した過去を持つ。

大学の友人

春名 圭太（はるな けいた）
声：古川慎 / 演：沢村玲
5月9日生まれのB型。一仁の高校の同級生。趣味は人間観察。大学で涼太と出会い、彼にとっての良き相談相手となる。

吉田 絵里（よしだ えり）
声：土屋李央 / 演：森日菜美
9月15日生まれのO型。一仁の高校の同級生。大学で涼太と知り合い、「涼ちゃん」と呼んで親しむ。高校時代に一仁と交際していたが長くは続かず破局し、現在は友人関係に戻っている。好物は焼肉。

主要人物の親族

夏川 真奈（なつかわ まな）
声：泊明日菜 / 演：秋谷百音
涼太の妹で高校2年生。
夏川 沙紀（なつかわ さき）
演：新井美羽
涼太の妹で、テレビドラマ版のオリジナルキャラクター。
夏川 サエコ（なつかわ サエコ）
声：榎吉麻弥 / 演：遠藤久美子
涼太の母。
田中 ゆりえ（たなか ゆりえ）
演：笛木優子
一仁の母。涼太の母・サエコと親しい。実家は旅館を経営している。

書誌情報

宮田トヲル『彼のいる生活』リブレ〈ビボピーコミックス〉、2019年7月20日発売、ISBN 978-4-7997-4355-3。

メディア展開

ドラマCD

2020年11月26日に制作が発表され、2021年2月17日に発売された。主要キャストとして、夏川涼太役に小林千晃、田中一仁役に鈴木崚汰が起用されている。

主なスタッフは以下の通り：
脚本：茶乃原ゆげ
脚本監修：宮田トヲル
音響監督：蜂谷幸

テレビドラマ

2024年4月12日（11日深夜）から5月31日（30日深夜）にかけて、TOKYO MXの「ドラマR」枠で放送された。主演は田中一仁役を佐藤瑠雅、夏川涼太役を坂井翔が務めた。原作の世界観を踏襲しつつ、一部オリジナル要素も加えられている。

主なスタッフは以下の通り：
原作：宮田トヲル
監督：加藤綾佳
脚本：宮本武史、野村浩二
音楽：西村大介/DUNK
* 制作会社：ビデオプランニング

主題歌は、浦島坂田船が歌う「フレテ」が使用された。

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