彼女 (アルバム)

aikoの7thアルバム『彼女』：多様な女性像と豪華ミュージシャン陣が織りなす音楽世界

2006年8月23日、シンガーソングライターaikoのメジャー通算7作目のオリジナルアルバム『彼女』がポニーキャニオンよりリリースされました。前作『夢の中のまっすぐな道』から約1年半ぶりとなる本作は、オリコンアルバム週間チャートで1位を獲得、さらに月間ランキングでも首位を達成するなど、大きな商業的成功を収めました。

アルバムタイトル『彼女』はaiko自身による命名で、「様々な女性や女の子がこのアルバムの中にいる」という想いが込められています。そのため、恋人という意味ではなく、より広い意味での「彼女」を表現している点が特徴的です。

収録楽曲は、aikoのシングル曲「キラキラ」「スター」「雲は白リンゴは赤」に加え、それまで発表されていなかった新曲で構成されています。特に注目すべきは、数々のCMソングやドラマ主題歌として使用された楽曲群の存在です。例えば、「キラキラ」は2005年のTOYOTA「PORTE」CMソング、「キスする前に」はNTT DoCoMoのCMソングとして親しまれました。「スター」は映画『あらしのよるに』の主題歌として起用され、幅広い層にaikoの楽曲を届ける役割を果たしています。

さらに、本作にはドラマ仕立てのミュージックビデオが制作されており、aiko自身に加え、大杉漣、須賀健太、西内まりやらが出演しています。楽曲の世界観をより深く理解できる映像作品として高い評価を受けています。

『彼女』の楽曲制作には、数多くの著名なミュージシャンが参加しています。演奏陣には、島田昌典、佐野康夫、美久月千晴、狩野良昭など、日本の音楽シーンを代表する実力者たちが名を連ねています。それぞれの楽曲に合わせた楽器編成、アレンジによって、aikoの歌声がより一層引き立てられています。

また、アルバム収録曲「瞳」は、aikoの友人の出産をきっかけに制作された楽曲であり、当初は1番だけの短い曲でしたが、後に花王「ハミング」のCMソングとして採用され、2番が追加制作されました。この経緯からシングルリリースされることはありませんでしたが、第57回NHK紅白歌合戦で歌唱されるなど、aikoの代表曲の一つとして広く認知されるようになりました。

2008年には、SACDハイブリッド盤が発売された他、「aiko 10th Anniversary ちょっと嬉しいHappy Surprise vol.1」として、初回限定仕様盤がステッカーを封入して復刻リリースされました。この復刻盤では、ステッカーの文字色が赤に変更されているという細かな違いも見られます。

『彼女』は、aikoの音楽性を多角的に示した、代表作の一つと言えるでしょう。様々な女性像、豪華なミュージシャン陣、そしてドラマ仕立てのMVなど、聴覚と視覚の両面からaikoの世界観を堪能できる作品です。シングル曲やCMソング、そして紅白歌合戦で歌われた楽曲など、幅広い聴衆を惹きつける魅力に溢れたアルバムとして、長く音楽ファンの心に残る作品となっています。

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