後藤格次

後藤 格次（ごとう かくじ）

後藤格次（1889年3月4日 - 1969年11月29日）は、日本の農芸化学者として広く知られています。東京大学農学部教授を務め、日本学士院の会員としてもその業績が高く評価されています。

経歴

後藤は福岡県浮羽郡吉井町に生まれ、育ちました。教育の初期段階としては、福岡県立中学修猷館を卒業し、その後1906年に東京府立一中を卒業しました。1909年には第五高等学校の農科に進学し、さらに東京帝国大学農科大学農芸化学科に進みました。この間、彼は著名な教授である鈴木梅太郎の指導を受けました。

1912年に東京帝国大学を卒業後、後藤は内務省伝染病研究所に勤務し始めました。1914年には、鈴木梅太郎、荒木文助、世良正一と共に、サルバルサンの製法に関する研究を開始し、翌年にはその製法を確立し、国産化を実現しました。この業績は日本の医薬品製造において重要な一歩となりました。

その後、1915年にアルカロイドの研究のために英国ロンドン大学ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン及びスイス・ジュネーブ大学に留学します。1918年に帰国後は北里研究所の助手として勤務を開始し、その後慶應義塾大学医学部予科の教授、東京帝国大学農学部の講師を経て1944年には東京帝国大学農学部教授となりました。学界においては、1947年から日本農芸化学会の会長を務め、1948年には日本学術会議の会員になり、1949年には日本学士院会員に選任されました。この年、東京大学を定年退職しました。

1951年には北里研究所の理事および化学部長に就任し、1962年の北里大学の創設にも大きく貢献します。大学設立後は教授に就任し、また北里研究所の名誉部長にもなるなど、幅広い分野で活動しました。

受賞・栄典

後藤は1949年にフジのアルカロイドであるシノメニンに関する優れた研究により、学士院恩賜賞を受賞するなど、その研究成果は学界で高く評価されています。彼の業績は、農芸化学の発展に寄与し、多くの後輩に多大な影響を与えました。

人物

後藤格次は、実に15か国の外国語を自在に操る博覧強記の人物としても知られています。彼の知識の深さと広さはもちろん、彼自身のユーモアは多くの学生や若手研究者にとって魅力的な存在でした。後藤のような人物によって、多くの優秀な人材が育成され、その影響は今も続いています。

参考文献

• - 都築洋次郎編『科学・技術人名事典』（北樹出版、1986年）

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