後藤正 (野球)

後藤 正について

後藤正（ごとう ただし）は、1912年8月13日に兵庫県で生まれ、1937年7月28日に満州で戦死したプロ野球選手です。彼は一塁手として知られ、名古屋軍に所属していました。わずか24歳での死は、プロ野球界に大きな衝撃を与えました。

学生時代の実績

後藤は神戸市立第一神港商業学校（現在の神戸市立神港高等学校）に在学中、甲子園に2回出場しました。1929年と1930年の春の大会では、自らのチームを2連覇に導く活躍を見せました。この時、彼は打撃賞と塁打賞を受け、優れた選手としての地位を確立しました。卒業後、彼は慶應義塾大学に進学しましたが、中退し、後に立命館大学へ転校しました。立命館大学では、後に巨人で活躍する青柴憲一や大東京でプレーする村川幸信とチームメイトになりました。

プロ入りと名古屋軍での活躍

1936年には名古屋軍に入団し、堅実な打撃と守備によってチームの連携を支えました。この頃、彼はしばしば5番打者として起用され、特に4番打者の高橋吉雄を中心とした攻撃陣を支える重要な存在でした。後藤は試合を通じて冷静なプレーを展開し、若手選手としての光を放っていました。

戦争へ

しかし、同年の秋季シーズン終了後、後藤は戦争に従事するために退団し、応召されました。翌年の1937年、彼は盧溝橋事件後の平津作戦に従軍し、満州南苑方面で戦闘に参加しました。その中で命を落としました。後藤は職業野球選手として初めて戦死した選手となり、多くの人々にその事実を悲しませました。

彼の功績と遺産

後藤の死は、彼の同僚であった鈴木龍二によっても語り継がれています。鈴木は自著の中で、後藤の勇敢さを称賛し、プロ野球選手であったことに誇りを持ちながら軍隊に入隊した選手たちの決意を表現しました。これにより、彼の名はプロ野球界の歴史の中で永遠に刻まれることとなりました。

東京ドームの敷地内には、彼を偲ぶ鎮魂の碑があり、後藤の名前が刻まれています。これは彼の業績とその若き命を奪った戦争の記憶を後世に伝える大切な場所です。

年度別打撃成績と背番号

後藤正は1936年に「24」という背番号を背負ってプレーしました。彼の成績やプレースタイルは、プロ野球界の中でも記憶に残るものであり、彼を知る人々にとっては現在でも語り草となっています。彼の存在は、野球ファンからも尊敬の念を抱かれ続けています。

もう一度検索