後藤隆之

後藤隆之氏は、1970年6月4日、宮崎県延岡市に生まれ、社会人野球界で名を馳せた元投手です。小学生時代から野球を始め、中学校では後にプロ野球選手となる柳田聖人氏とチームメイトでした。柳田氏が一つ年上にあたります。

延岡高校を経て九州東海大学に進学後、1993年に三菱重工長崎に入社し、社会人野球の世界へ飛び込みました。2001年には、第28回社会人野球日本選手権大会でチームを優勝に導き、その実力を大いに示しました。都市対抗野球大会では、10年連続出場を果たすなど、年齢を感じさせない活躍を見せました。この間、補強選手として他チームからの参加もありました。

2008年に現役を引退し、翌2009年からはコーチとしてチームを支えました。一度チームを離れたものの、監督として復帰し、2017年にはチーム統合により三菱日立パワーシステムズ（横浜市）へ移籍、第88回都市対抗野球大会でチームをベスト4に導くなど、指導者としてもその手腕を発揮しました。2020年まで監督を務め、チームの成長に大きく貢献しました。

後藤氏のプレースタイルは、140km/hを超えるストレートとスライダーを軸に、キャッチャーがサインを出しきれないほどの豊富な球種を操ることが特徴です。その投球術と球種の多彩さから、社会人野球界ではカリスマ的な存在として知られていました。30歳頃にその才能が開花した遅咲きの選手であり、プロへの道はあえて選ばず、社会人野球への強いこだわりを持っていました。

個人としての表彰歴も豊富で、2000年にはJABA九州大会敢闘賞、2001年には第28回社会人野球日本選手権大会最高殊勲選手賞と社会人ベストナインを獲得しました。さらに、2002年にはJABA岡山大会敢闘賞を受賞しています。また、日本代表としても活躍し、2002年の第14回アジア競技大会と2003年の第35回IBAFワールドカップに出場し、日本代表チームに貢献しました。

後藤隆之氏は、その卓越した投球技術と野球への情熱で、社会人野球界に大きな足跡を残した人物です。選手、コーチ、監督として、長年にわたりチームを支え、多くの人々に感動を与えました。

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