徐寧

徐寧の物語

徐寧（じょ ねい、Xú Níng）は、中国の古典文学『水滸伝』に登場する著名なキャラクターであり、梁山泊の逸材である。彼は天祐星の生まれ変わりとされ、梁山泊では第十八位の好漢としてその名前を知られています。「金鎗手」の愛称で知られる彼は、禁軍の金鎗法の教頭を務め、その技術で注目を集めています。

彼の武器の扱いに秀でた腕は、金鎗法だけでなく、鉤鎌鎗法や弓術にも及び、徐家に伝わる秘伝の技として知られています。従弟には湯隆が、息子には呼延灼の女婿である徐晟がいるなど、彼の周囲にも優れた戦士が揃っています。

物語の中での活躍

徐寧の物語は、官軍の呼延灼が率いる討伐軍が梁山泊に侵攻してくる場面から始まります。官軍は連環馬という強力な戦法を用いて梁山泊の仲間たちを苦しめ、彼らの討伐は急務となりました。梁山泊では徐寧を仲間に引き入れるための策が練られ、湯隆が彼の持つ鉤鎌鎗法の重要性を強調しました。

徐寧は、代々受け継がれた貴重な金色の鎧「賽唐猊」を所有していましたが、出勤中に泥棒の時遷にその鎧を盗まれます。翌日、湯隆と共に時遷を追いかけるものの、鎧はすでに別の人物に運ばれてしまっていました。徐寧は意気込んで鎧を取り戻そうとしますが、途中で酒屋に立ち寄った際、楽和と薛永にかけられた痺れ薬により捕らえられ、梁山泊へと連行されます。この出来事は、実は徐寧を梁山泊に誘導するための罠であったことが後に判明します。

宋江らは彼に梁山泊入りを勧め、家族の安全と鎧の返還を約束したため、徐寧は仲間になることを決意します。入隊後は、屈強な兵士たちを集め、鉤鎌鎗法の訓練を行います。その結果、彼が率いる鉤鎌鎗部隊は官軍の真の力を前にしながらも、巧妙に作戦を展開し連環馬部隊を撃退します。官軍は徐寧が仕掛けた罠に嵌まり、次々と捕らえられていきました。

戦の中での徐寧

その後、徐寧は華州や東平府、芒碭山の戦いにも参加し、さまざまな戦場で活躍を続けます。百八星の集結後は第十八位として、梁山泊の騎兵軍八虎将としても名を馳せ、その活躍は目覚ましいものでした。九宮八卦陣では中軍を指揮し、金鎗隊を率いて戦の最前線で多くの部隊を指揮しました。

そして招安後も、自慢の槍術を駆使して戦場で戦い続けましたが、最終的には方臘討伐の際、敵の奇襲に遭い、捕らえられた仲間を助けに戻る中で致命的な傷を負ってしまいます。尽力の甲斐もなく、徐寧は秀州でその生涯を閉じることになります。彼の戦の記録と技術が梁山泊に大きな影響を与え、後の世代の武士たちに影響を与えたことは間違いないでしょう。

徐寧の故事は、勇気や忠誠心、戦いの技術の重要性を示す一つの象徴として、今なお多くの人々に語り継がれています。

もう一度検索