徐裕行

徐 裕行（ソ・ユヘン）とは

徐裕行（ジョ・ユヘン）は、日本で生まれた在日韓国人の暴力団組員であり、オウム真理教幹部の村井秀夫を刺殺した事件の実行犯として知られています。彼の人生や事件に関する詳細は複雑で、多くの謎に包まれたものです。

人物背景

徐は1965年5月25日、群馬県桐生市に生まれました。東京都足立区で育ち、幼少期には朝鮮籍から韓国籍に変更。革命的な思想に影響を受けつつ、彼の組織との接点は実際に存在していました。東京朝鮮第四初中級学校を経て、足立工業高校を中退した後、様々な職業を転々としながら過ごしました。そして1986年、広告代理店に転職し、企画会社の社長に就任し一時は成功を収めますが、1992年に会社が倒産することになります。

その後、友人の古紙回収業の手伝いをするなどして生計を立てる一方で、三重県の暴力団である羽根組と関わりを持つようになりました。徐はこの組織内で雑用を任されながら次第にその世界に溺れていくことになります。

村井秀夫刺殺事件

事件が発生したのは1995年、地下鉄サリン事件の直後です。徐は村井秀夫を襲撃する準備を進め、刺すための牛刀を購入。当日は南青山のオウム真理教本部前で村井を待ち伏せして襲撃しました。刃物で致命的な傷を与えた後、徐は現場にとどまり、逮捕されることとなります。この事件はオウム真理教の組織内での反応や情報の隠蔽にも影響を及ぼしました。

犯行の背後

徐は逮捕後、犯行の動機として「義憤に駆られて」と説明しましたが、その後「羽根組若頭のK・Kの指示による」とも供述しました。しかし、捜査では彼のこの証言には整合性が乏しいとされ、特に明確な指示があったという証拠は見つかりませんでした。裁判では彼が実行犯として懲役12年の判決を受ける一方で、若頭は無罪となり、その背景にある暴力団とオウム真理教の複雑な関係は不明なままとなりました。

社会復帰後の生活

徐は2007年に出所し、その後フィリピン人女性と結婚しながら新たな生活を始めました。また、彼はオウム事件についての書籍を共著し、自身の意見や体験を公にする場も設けました。如いては、彼の個人ブログでは私生活の様子や旅行記を公開し社会との接点を持とうと努力しましたが、2015年以降は更新が途絶えました。

終わらない謎

徐の事件に関しては数多くの未解決の疑問が残されています。宿泊先の女性や、事件当日の行動などについての情報は多岐にわたります。また、彼の右翼的立場についても、過去の朝鮮総連との関係や思想の変遷が指摘されています。彼が村井を刺殺した背後にある動機や組織との関係性については、今もなお多くの人々が関心を寄せ、議論が続いています。さまざまな視点から語られる徐の人生と事件は、今日でも多くの人々に影響を与え続けています。

もう一度検索