徒目付

徒目付（かちめつけ）について

徒目付とは、江戸幕府やさまざまな藩に存在した役職のひとつであり、特に江戸幕府で重要な役割を果たしました。この役職は主に目付の支配下にあり、その業務内容は多岐にわたります。

江戸幕府における徒目付

江戸幕府の徒目付は、宿直を交代で行いながら江戸城内での大名の登城を監察したり、幕府の役人や江戸市内での秘密の調査活動に従事したりしました。特に、大名の江戸城訪問時の監督は非常に重要で、厳格な役割を担っていました。

歴史の伝承によると、元和9年（1623年）に徳川家光が征夷大将軍として江戸城に移った際に、道中で欠伸をしていた者を無礼な行為として討ち取った草履取りを賞してこの役職に任命したのが始まりとされているのです。最初の定員は享保3年（1718年）には40名となり、幕末期には80名に達しました。また、享保6年（1721年）には役高が100俵5人扶持という形で定められました。

組頭の役割

徒目付には、その上に役高200俵の徒目付組頭が3名置かれており、番所は江戸城本丸御殿の玄関の右側に設けられていました。さらに、その奥には組頭のための執務室が設置されていました。老中や若年寄からの命令が目付を経由して伝えられ、それを担当の徒目付が受けて職務を遂行しました。徒目付は、配下に小人や中間、黒鍬者と呼ばれる者たちを持ち、これらの人々を駆使して任務をこなしていったのです。

特に、隠密専任の「常御用」と称される3、4名の徒目付が存在し、この者たちは特麻な業務については老中から直接命令を受けることがありました。このため、徒目付の職務は非常に多様であり、重要な役割を果たしていました。

昇進の道

徒目付は、基本的に小人目付や遠国勤務の下級役人から任じられましたが、その後は小普請世話役や表火之番、さらには徒からも登用されることがありました。こうした登用により、徒組頭や闕所物奉行、林奉行、油漆奉行、畳奉行などへと昇進することも可能でした。

諸藩における徒目付

江戸幕府と同様に、諸藩においても徒目付を設置しているところもあり、それぞれにおいて監察役としての役割が求められました。藩ごとに役職の詳細は異なるものの、基本的な機能として目付と同じく監視と情報収集がありました。

結論

徒目付は江戸幕府及び諸藩の中で、重要な監察役職として存在し、統治と秩序維持のために多くの責任を担っていました。その多岐にわたる任務は、歴史の中で人々の生活に対する影響を与えてきました。このように、徒目付の制度は、江戸時代における社会の安定と秩序に寄与した重要な要素であったと言えるでしょう。

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