従輪

従輪について

従輪（じゅうりん、英語: trailing wheel）とは、機関車において動輪の後方に装着されている非駆動輪を指します。この構造は、主に大型の機関車において見られ、重い列車の牽引に関与する重要な役割を果たします。従輪は、機関車の抵抗を軽減し、動力を効率的に伝達するために設計されており、特に列車の起動時や急勾配での運転時において、それ以外の車輪と連携して牽引力を強化します。

従台車とブースター

一般に、従輪は固定された車軸に取り付けられ、台車を支える従台車に密接に関連しています。従台車は、運転台と火室の後部をしっかり支えるために設計され、安定性を提供します。また、大型機関車の中には、特に重い列車を牽引する際に追加の牽引力を得るために、従台車にブースターが装備されている場合もあります。

従輪の設計は、19世紀の後半から次第に変化し、より強力な機関車への需要が高まると共に、新たな設計理念が採用されました。特に1890年から1895年にかけて、その利用がアメリカの機関車において進みました。この時期に、車軸が固定されたペデスタルに組み込まれ、動輪の後ろに位置するように設計されました。このアプローチにより、ボイラーの位置を低く設定し、蒸気発生能力を向上させるための火室の拡大が可能となりました。

車輪配置と従輪の数

従輪の数や配置は、ホワイト式の車輪配置によって示されます。例えば、ミカド式（2-8-2）の機関車では、最初の数字が先輪の数、次の数字が動輪、最後の数字が従輪の数を表します。ただし、アメリカン式（4-4-0）のように従輪を持たない機関車も存在し、この場合は従輪の数がゼロとして表記されます。

従輪の配置は機関車のデザインや運用の要件によって異なり、最大で6輪（3軸）を持つことができます。例としては、アレゲニー形式やペンシルバニア鉄道の6-8-6型、また6-4-4-6のデュープレックス機関車などが代表的です。これらの機関車は、従輪の配置によってその能力を最大限に発揮します。

従輪の発展と現状

従輪は、機関車における重要な要素であり、その設計や機能は時代と共に進化を続けてきました。特に、1915年頃には、鋳鋼製の従台車がブースターを設置できるように強化され、その後もデルタ式の従台車が開発されました。これにより、さらに多様な機関車の設計が可能となり、従輪の重要性が増していくこととなりました。現在でも、多くの蒸気機関車においてこの技術が採用されており、鉄道の運行に不可欠な要素として位置づけられています。

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