御岳昇仙峡有料道路

御岳昇仙峡有料道路の歴史と概要

御岳昇仙峡有料道路（みたけしょうせんきょうゆうりょうどうろ）は、かつて山梨県甲府市に存在した有料道路です。この道は、山梨県道7号甲府昇仙峡線の一部として機能し、1972年の開通から1997年に無料開放されるまで多くの利用者に親しまれました。

構造と運営

最初に開通したのは1972年4月1日で、甲府市から昇仙峡へ至る道として完成しました。この道路には起点近くの山梨県道104号天神平甲府線との交差点付近と終点の県営駐車場旁に料金所が設けられていました。開通当初より「昇仙峡グリーンライン」としても知られ、訪れる人々に自然の美しさを提供していました。1997年には料金徴収が終了し、道路は無料化されました。

この道路の開通によって、終点の能泉地区に車で簡単にアクセスできるようになり、特に仙娥滝の近くまでスムーズに行けることが観光名所を訪れる人々にとって大きなメリットになりました。仙娥滝近隣には整備された駐車場があり、観光施設やおみやげ物屋も増加しました。

自然環境と野生動物

御岳昇仙峡有料道路の周囲は、秩父多摩甲斐国立公園に位置しており、自然の中で人間の手がほとんど加わっていない部分が多数存在します。これにより、野生の熊や猪などの生息地ともなっています。料金所には職員が配置されていましたが、熊による襲撃事件が発生したこともあり、現在も熊の目撃情報が寄せられています。

以前は、甲府市から昇仙峡へ向かう際にこの道路を通ることが必須でしたが、車両通行に制限がかけられている渓谷沿いの道とは異なり、現在は甲斐市側から山梨県道101号敷島竜王線を経由するルートも利用可能になっています。このルートを選ぶことで、有料区間を通過することなく一般道として無料でアクセスすることができます。

事故の発生

道路の運営期間中には、いくつかの悲惨な事故が発生しています。1977年8月11日には社員旅行中のバスが谷に転落し、11名が死亡、34名が負傷するという重大な事故がありました。また、1988年10月11日には長雨により土砂崩れが発生し、有料道路が封鎖される事態が起こりました。これにより、地域の交通にいくつかの影響が及びました。

結論

御岳昇仙峡有料道路は、観光地と自然の美しさを結びつけ、多くの人々に利用された道でした。無料開放された現在でも、そのアクセスの利便性は多くの人に活用されています。自然環境への配慮や、過去の事故を教訓としながら、この道路は今も地域の重要な交通路として機能しています。

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