御影堂 (大石寺)

御影堂（みえいどう）の概要

御影堂は、静岡県富士宮市にある大石寺の重要な堂宇であり、その建設は1632年にさかのぼります。これは17世日精の指導のもと、敬台院殿の寄進によって築かれたもので、大石寺の中では現存する最古の建物として名を馳せています。御影堂は広宣流布までの間、本堂としての役割を果たしています。

歴史と本尊の移り変わり

御影堂は、初めのうちは「本門戒壇大御本尊」が安置されていましたが、約50年後には現在常住板本尊が置かれるようになりました。この本尊は日蓮大聖人の真筆本尊を模刻したものであり、その信仰の根幹をなしています。また、堂内には日蓮等身大の御影像も安置されており、これは第6世日時にあたる越前法橋快恵によって制作されたものです。

内部構造と装飾

御影堂の内部は、歌舞伎座を模した造りとなっています。中央部奥には須弥壇が位置し、その上に御宮殿が存在します。内陣では法主の大導師席と、その左手に隠尊の隠居席があります。そして、内陣の後方から左右の両側には外陣が設けられ、多くの信者が立ち寄れるようになっています。さらに、堂内の柱には金箔が施されており、内壁や欄間に至るまでが高い芸術的価値を有していると評価されています。

文化財としての指定

昭和41年（1966年）、御影堂は静岡県の有形文化財に指定され、その歴史的価値が認識されることとなりました。これにより、多くの人々がその重要性や美しさを理解し、訪れる機会を得ることができます。

行事と修復工事

御影堂では、11月20日から21日にかけて行われる宗祖御大会をはじめ、毎月行われる御報恩御講（7日、13日、15日）や日蓮の事績に関連する様々な法要が営まれています。これらの行事は、信者同士の絆を深め、宗教的な価値を再確認する重要な機会として、多くの人々に親しまれています。

さらに、平成18年（2006年）11月28日には修復工事に伴う法要が行われ、その後約7年にわたり修復作業が続けられました。本尊はその期間中、奉安殿に遷座され、修復工事が完了するまでの間、奉安殿が仮御堂として使用されました。この修復工事は丁寧に行われ、平成25年（2013年）秋に全ての作業が完了した際には、11月15日に本尊が御影堂に戻され、19日には記念大法要が奉修されました。その後も御大会を挟み、12月20日まで様々な記念行事が行われ、多くの参加者がその瞬間を祝い、信仰を深めました。

このように御影堂は、歴史的な背景と文化的な価値、そして信仰の場としての役割を兼ね備えた貴重な場所となっています。

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