御復活のラウレンシオ

御復活のラウレンシオ（1614年 - 1691年）は、カルメル会の修道士であり、ブラザー・ローレンスという名でも知られています。彼は、著書『神の臨在の実践』や『神の現存の体験』を通して、神の存在を常に意識し、その中で生きるという信仰を説きました。本名はニコラ・エルマンです。

生涯

1614年、ニコラ・エルマンはロレーヌ公国で生まれました。当時、ロレーヌは戦乱の時代であり、エルマンも軍人として戦いに参加します。21歳の時、三十年戦争で負傷し、軍職を退くことになりました。この経験がきっかけとなり、エルマンは神に身を捧げることを決意します。

1640年、エルマンはパリの跣足カルメル修道会に入会し、2年間の修練期間を経て、1642年に修道誓願を立て、ラウレンシオという修道名を受けました。彼は修道院で、料理や靴作りなど、一見地味な仕事に従事しながらも、その中で神の存在を深く体験していきました。どのような状況にあっても、神の存在を意識し、祈り続けることで、心の平安を得ていたと言われています。

1691年2月12日、ラウレンシオはパリで77歳で亡くなりました。

死後の影響

ラウレンシオの死後、彼の信仰に感銘を受けたジョゼフ・ド・ボーフォールが、ラウレンシオの談話や手紙を収集し、『神の臨在の実践』として出版しました。この本は、プロテスタントにも影響を与え、ジョン・ウェスレーやエイデン・トウザーといった人物によって紹介されました。また、『神の現存の体験』も複数の言語に翻訳され、世界中で読まれています。

思想の特徴

ラウレンシオの思想の特徴は、日常生活の中で神の存在を意識し、常に神との交わりを求めるという点にあります。特別な場所や時間だけでなく、仕事中や困難な状況においても、神の存在を感じ、祈り続けることを重視しました。彼の信仰は、シンプルでありながらも力強く、多くの人々に希望と慰めを与えています。

日本語訳された著書
『敬虔な生涯（ふだんの生活の中におられる神）』栗原督枝訳、CLC出版
ラウレンシオ修士『神の現存の体験』東京女子跣足カルメル会訳、ドン・ボスコ社
ブラザー・ローレンス『神の聖前に在る修練』小原妙子訳、教養文庫
『神とともなる霊的生活』

御復活のラウレンシオの生涯と著作は、現代においても、神の存在を身近に感じ、日々の生活の中で信仰を深めるための道しるべとなっています。

もう一度検索