御殿山 (品川区)

御殿山の概要

御殿山（ごてんやま）は東京都品川区北品川の高台で、城南五山の一つとして知られています。この地域は高輪台地の最南端にあり、歴史的な価値が詰まった地です。特に、太田道灌が江戸城に入る前に居住し、御殿山城として知られる城を構えたことが記録されています。

歴史的背景

『新編武蔵風土記稿』に記されている通り、長禄年間（1457年 - 1460年）に太田道灌がこの地に居をかまえ、その後江戸城に移ったことがさらなる興味を引きます。この居館は品川湊を見下ろす位置にあり、当時としては資源の確保に適していました。道灌は夢のお告げを受けて江戸城に遷居し、その間、宇多川和泉守長清をこの地に残しました。

江戸城の建設が進む中、この場所は「品川御殿」と正しく名付けられ、御殿山の名は広く知られるようになりました。将軍たちの鷹狩りの休息所や幕府重臣との茶会の場としても利用され、特に桜が美しい名所としても評価されていました。

徳川家光と桜の名所

特に徳川家光が18年間に200回近くこの御殿を利用した事実は、御殿山が幕府にとって重要なスポットであったことを示しています。江戸周辺にある他の御殿とも比較しても、この地の利用頻度は非常に高く、特に桜の美しさで人々を魅了しました。徳川時代には、桜が整備されると共に、大規模な茶会やイベントが開催されました。

しかし、元禄15年の火災で御殿は焼失し、残念ながら翌年には廃止されてしまいました。この時期には、御殿山の面積が11,500坪にも及び600本の桜が美しく咲いていたことが文政の文書に残されています。

幕末から開国期

幕末の頃になると、国防のための土砂を採取される場となり、山の北側が削られて窪地が形成されました。この頃には、御殿山の跡地にいくつかの礎石が残っていたとされ、到来した時代における文化と歴史の名残を物語っています。

開国後、幕府は外国公使館の設置を計画しましたが、その途中で襲撃されて大きなイベントになりました。この大火により公使館は全焼となり、御殿山の歴史は新たな転機を迎えました。さらなる時代では鉄道の敷設が進められ、この地域は分断されていきました。

近現代の御殿山

明治時代に入ると、ソニーがこの地域に本社を移転し、一時期「ソニー村」と呼ばれることになりますが、2007年に移転した後この名称は消えました。近代の都市再開発としては、ガーデンシティ品川御殿山や様々な高級住宅プロジェクトが進行し、2013年度のグッドデザイン賞を受賞するなど、地域が再生されています。

現在、御殿山は東京都品川区北品川3丁目から6丁目の高台として存在しており、かつての栄光を思い出させる風景と共に歩んでいます。歴史を感じる場所として、訪れる人々にとっても魅力的なスポットとなっています。

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