坪

坪（つぼ）とは？

坪は、日本の伝統的な面積単位です。明治時代の度量衡法で、1坪は400/121平方メートル（約3.3058平方メートル）と定義されました。これは、一辺が6尺（1間）の正方形の面積に相当します。よく「1坪＝畳2枚」と言われるのは、中京間サイズの畳を基準にしているためです。

坪の歴史と起源

坪の起源は中国に遡ります。面積を表す単位として「歩（ぶ）」があり、坪はその別名として用いられるようになりました。古くは、耕地や山林には「歩」、家屋や敷地には「坪」が使われる傾向がありました。

「歩」の原型は、古代中国の周代に、人の歩幅を基準とした長さの単位でした。この歩幅を1辺とする正方形の面積も「歩」と呼ばれ、これが面積単位「歩」の始まりです。その後、6尺四方の面積に定められ、明治時代に尺がメートルに換算されたことで、現在の1坪の面積が算出されました。

坪の倍数単位

坪は尺貫法における面積の基本単位で、以下のような倍数単位があります。

合（ごう）: 1合 = 0.1坪
勺（しゃく）: 1勺 = 0.1合
畝（せ）: 1畝 = 30坪（約99.174平方メートル）
反（たん）: 1反 = 10畝（約991.74平方メートル）
町（ちょう）: 1町 = 10反（約9917.4平方メートル）

畝、反、町はそれぞれ、1アール、10アール、1ヘクタールとほぼ等しいため、メートル法への移行は比較的スムーズに行われました。しかし、坪はメートル法で綺麗に表現できないため、現在では取引や証明には使用できません。

不動産取引と坪

1966年4月1日以降、日本の不動産取引において、坪を用いた取引や証明は法律で禁止されています。しかし、参考値として平方メートルと併記することは認められており、その場合は「（　）内」で参考値であることを明確にする必要があります。例えば、「167.32平方メートル（約50.6坪）」のように表記します。ただし、不動産登記においては、参考値としても坪は使用されません。

不動産の価格表示も、坪ではなく平方メートルを用いる必要があります。3.3平方メートル当たりの価格を示すこともありますが、これはメートル法に基づいた表示であり、坪とはわずかに異なる数値であることに注意が必要です。

取引や証明以外の場面（例えば、不動産取引前の交渉段階での口頭でのやり取りなど）では、坪の使用は禁止されていません。

日本以外での坪

坪は日本独自の単位ですが、かつて日本が統治していた韓国や台湾でも使用されていました。現在、韓国では使用が罰則の対象となっていますが、台湾では民間で広く使われています。ただし、呼び方は日本と異なり、韓国では「ピョン」、台湾では「ピン」または「ペー」と呼ばれます。

その他の「坪」

土地面積以外でも、特定の分野で「坪」が使用されることがあります。これらは全て計量法で禁止されており、取引や証明には使用できません。

寸坪（すんつぼ）: 織物や金箔などの面積を表す単位（1寸四方）
尺坪（しゃくつぼ）: タイルや皮革などの面積を表す単位（1尺四方）
ガラス坪（ガラスつぼ）: ガラス業界で使用される単位（30センチ四方）
立坪（りゅうつぼ）: 土砂の体積を表す単位（6尺立方）
坪量（つぼりょう）: 製紙や印刷業界で使用される、紙の単位面積あたりの質量

これらの特殊な「坪」の使用には注意が必要です。現在では、面積や体積の単位はメートル法を使用することが原則です。

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