御茶ノ水セントラルビル

御茶ノ水セントラルビルの歴史と概要

御茶ノ水セントラルビルは、東京都千代田区神田駿河台にあるオフィスビルで、元は日立製作所の本社が入居していました。このビルは1983年に竣工し、日立製作所の新しい本社機能として利用されていました。その後、2006年に森トラストによって譲渡され、名称も変更されました。

場所と建設の背景

このビルは岸記念体育会館があった場所に建てられ、1964年にその施設が渋谷区に移転した後に新設されました。地下鉄丸ノ内線と千代田線が近くを走っており、地域の交通便も良好です。設計と建設には細心の注意が払われ、様々な防災対策が導入されています。具体的には、防災センターと監視室が別々の場所に設けられたり、特別避難階段や屋外避難階段が設置されていたりと、万全の体制が整えられていました。

ビルの仕様と機能

御茶ノ水セントラルビルは、地上18階、地下3階の構造を持ち、最高高さは90mに達します。延床面積は57,486.83平方メートルに及び、基準階平面は東西66m、南北33mとされていました。内部には空調設備や電気設備も充実しており、エネルギー効率にも配慮がされています。特に、光通信システムやIDカードによる社員食堂の精算システムは、早い段階から導入され、ビルの利便性を高めていました。

通信のために、ビルの3階には直径5.6メートルの通信衛星用パラボラアンテナが設置され、情報のやり取りに利用されていました。

運用の変遷と解体

1990年代に入り、日立製作所は本社機能の統合を進め、2003年には本ビルを日本総合トラストに売却しました。以降も賃借契約を結び、日立製作所は引き続き本社として保有し続けましたが、2006年に本社機能が移転したのを契機に、森トラストへ譲渡される運びとなりました。譲渡後、ビルの運用方針の枠組みが検討される中で、アスベストを含む材質の使用が発覚し、2006年に解体の決定が下されました。

その後、2008年には解体工事が始まり、2010年には完全に解体されました。

現在の様子

現在、御茶ノ水セントラルビルの跡地には、高さ110mの超高層ビル「御茶ノ水ソラシティ」が建設されています。この新しいビルは地域のランドマークとして、人々の生活に新たな息吹をもたらしています。御茶ノ水セントラルビルは、その歴史に名を刻みながら、東京の都市発展に寄与してきた重要な建物の一つといえるでしょう。

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