御藤良基

御藤 良基（みとう りょうき）

1948年7月27日、広島県尾道市に生を受けた御藤良基氏は、テレビ番組制作の第一線で長年活躍した後、故郷の寺院の住職に転身するという異色の経歴を持つ人物です。現在は、浄土宗西山禅林寺派 光明寺の住職として、また関連施設である光明寺會舘のオーナーとして活動しています。

経歴と人物像

御藤氏は、代々続く尾道の光明寺に育ちました。教育は地元の名門校である広島大学附属福山高等学校で受け、その後、早稲田大学へ進学します。大学卒業後、1971年に毎日放送に入社。この時の同期には、後にアナウンサーとして活躍した野村啓司氏や平松邦夫氏（元大阪市長）、大学の同期でもあったフリーアナウンサーの近藤光史氏らがいます。また、アナウンサー職以外の同期には、後に毎日放送の経営を担う河内一友氏や、ジャーナリストに転じた山田厚史氏などもおり、多彩な顔ぶれが揃っていました。

毎日放送に入社した御藤氏は、一貫して制作局に配属され、テレビ番組の企画・制作に約33年間にわたり深く関わります。ディレクター、プロデューサー、チーフプロデューサーと様々な役職を歴任し、数多くの人気番組を手掛けました。

番組制作に捧げた日々

御藤氏がプロデューサーとして特にその手腕を発揮したのが、情報ワイドショー『ワイドYOU』です。この番組内で企画された「嫁と姑」シリーズは大きな話題を呼び、多くの視聴者の共感を呼ぶ人気企画となりました。また、長寿番組として親しまれた『八木治郎ショー・いい朝8時』（ディレクター）、そしてその名称を変更した『すてきな出逢い いい朝8時』ではプロデューサーや制作（チーフプロデューサー）を務め、朝の顔として番組を支えました。

その他にも、関西ローカルながら文化性の高い『近畿は美しく』や、現在も続く人気グルメ情報番組『水野真紀の魔法のレストラン』ではチーフプロデューサーを担当。さらに、大規模な音楽イベントである『JAL音舞台シリーズ』や、毎年多くの参加者を集める『1万人の第九』など、特別番組やイベント関連の制作にも深く関与しました（いずれも2002年まではチーフプロデューサー）。このように、御藤氏は報道・情報からバラエティ、文化、イベントまで、多岐にわたるジャンルの番組制作を牽引し、毎日放送のテレビ番組制作における重要な役割を果たしました。

テレビマンから僧侶へ

2004年、御藤氏は毎日放送での長きにわたるキャリアに一区切りをつけ、退職。生まれ育った故郷である尾道へと戻ります。帰郷後は、実家である光明寺にて仏道に入り、副住職として修行を積みました。そして現在、正式に浄土宗西山禅林寺派 光明寺の住職を務めています。また、寺院の活動と並行して、関連施設である光明寺會舘の運営にも携わっています。

テレビ業界という華やかな世界から、故郷の寺院という静謐な世界へと転身した御藤氏。そのユニークなキャリアパスは、多くの人々に驚きとともに興味を持たれています。現在は、住職としての務めを果たしつつ、自身のSNSなどを通じて情報発信も行っているようです。テレビマンとして培った企画力や発信力が、現在の活動にも生かされているのかもしれません。

テレビ番組制作のプロデューサーとして一時代を築き、その後、故郷の寺院を護る僧侶となった御藤良基氏。その人生の軌跡は、変化に富み、多様な可能性を示しています。

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