御親兵

御親兵の歴史と役割

御親兵（ごしんぺい）は、天皇および京都[[御所]]を護るために創設された軍隊で、3度にわたり制度として設置されました。文久3年（1863年）、慶応4年（1868年）、明治4年（1871年）のそれぞれの時期に、異なる背景と目的を持って組織が立ち上げられました。

文久の御親兵

最初の御親兵は、文久2年（1863年）11月27日に設立の勅諚が公式に伝えられました。文久3年（1863年）3月18日、三条実美の提案によって、天皇の護衛部隊として編成が始まりました。当時、10万石以上の大名は、1万石ごとに兵を供出することが義務付けられました。しかし、設立からわずか数ヶ月後の同年9月5日には、その活動が停止され、御親兵は解散を命じられました。

慶応の御親兵

次の御親兵は、慶応4年（1868年）2月20日、鳥羽・伏見の戦いの後に設置されました。この時期の御親兵は、京都[[御所]]の警護を目的に設立されましたが、実態は主に長州藩の部隊や在京の浪人で構成され、各藩からの献兵が集められる形でした。翌年2月には戊辰戦争の終結により献兵が廃止され、組織は縮小されました。また、東京奠都後には、長州藩の部隊が江戸城の警護にあたることとなりました。

明治の御親兵

明治3年（1871年）、新たに設立された御親兵は、薩摩藩、長州藩、土佐藩から募集された部隊で構成されました。山縣有朋が西郷隆盛に提案した背景には、中央政府の強化を図る意図がありました。その後、西郷は明治4年1月4日に鹿児島を出発し、2月13日には正式に「御親兵」として活動を開始しました。この時の御親兵は、元々の藩に由来する部隊を中心に編成されており、名目上は1万人であったものの、実際は8000人以下の規模でした。

御親兵は、廃藩置県の実施と共に日本最初の国軍として機能し、これにより近代的な軍隊へと移行することとなります。明治5年3月9日（1872年4月16日）には「近衛」と改称され、最終的には明治24年（1891年）に陸軍の近衛師団に発展していきました。近代的な軍隊としての役割を果たしながらも、皇居の警護が主な任務となっていきました。これにより、御親兵は日本の近代化において重要な役割を担ったのです。

結論

御親兵は、明治時代の日本において、天皇を護衛するために設立された多くの歴史的背景を持つ軍隊でした。その役割は単なる護衛に留まらず、国家の戦略や政策にも深く関わりながら、最終的には近代日本の軍隊の礎を築く重要な役割を担いました。

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