御首神社

御首神社について

御首神社（みくびじんじゃ）は、岐阜県大垣市荒尾町に所在する神社で、旧社格は村社に分類されます。この神社は、平将門公の御神霊を主祭神として祀り、相殿には南宮神社からの金山彦命や西宮神社からの蛭子命が一緒に祀られています。

歴史的背景

御首神社の起源に関する伝説は約千年前にさかのぼり、当時の桓武天皇の子孫である平将門が、当時の朝廷の政策に不満を持ち、承平天慶の乱を引き起こしました。しかし、彼は藤原秀郷や平貞盛といった武将によって鎮圧され、捕えられた後、首を討たれてしまいます。その首は京都に送られ、さらし首となりましたが、平将門は故郷に戻りたいという思いから、獄門を越えて飛び立つという異変が起こりました。

この出来事を知らされた美濃国の南宮大社では、再び乱が起こることを恐れ、平将門の首が関東に戻ることを祈願しました。すると、神社に祀られた隼人神が、矢を放って飛んでいく平将門の首を射落としました。この矢が飛んだ道筋にちなんで、現在の大垣市矢道町が名づけられています。

平将門の首が落ちた場所に、この神社が創建されたとされ、彼の霊を慰め、怒りを鎮めるために、地元の人々によって崇められることになりました。創建時期は不明ですが、古くから首に関わる病気の平癒や学業成就、そして合格祈願の御利益があると信じられています。

特に耳に関する病気に良いとされ、かつては病気が治った際に「穴の開いた石」を奉納する風習がありました。これにより、病気の全快を願ったり、耳の病気にならないよう祈る人々が多く訪れていましたが、最近ではこの風習は次第に少なくなり、御礼参りの際には絵馬を奉納することが主流となっています。

年中行事と境内社

御首神社では、様々な年中行事が行われています。具体的には、1月の元旦祭や左義長、2月の浄火祭や祈年祭、4月の例大祭、8月の夏越大祓、11月の崇敬会大祭や新嘗祭、そして12月の年越大祓などがあり、地域の人々にとって重要なイベントとなっています。

境内には、鍬山神社（豊受大神）、神明神社（天照大神）、末廣稲荷神社（宇迦之御魂神）といった他の神社も存在し、それぞれの神々が祀られています。

交通アクセス

御首神社へのアクセスは非常に便利です。最寄りの駅はJR東海道本線の荒尾駅で、駅からは徒歩すぐの距離にあります。また、名阪近鉄バスの「御首神社前」バス停からも徒歩約3分で到着します。東海環状自動車道からは大垣西インターチェンジを利用して、大垣市街方面に向かい、「熊野町」交差点で左折すると良いでしょう。駐車場も数十台分用意されているため、車での訪問も安心です。

このように、御首神社は多くの人々に親しまれ、地域の伝統と文化を伝える重要な施設となっています。

もう一度検索