復旦大学

復旦大学の概要

復旦大学（ふくたんだいがく、复旦大学）は、中華人民共和国の上海市楊浦区に所在する国立大学です。1905年に設立され、その後も多くの国家重点実験室を有する教育機関として成長を続けています。この大学は九校連盟、985工程、211工程、双一流などの名門校の一員として、中国の教育界で重要な役割を果たしています。

学生数と学部構成

2004年のデータでは、復旦大学に在籍する学生数は約4万5000人でした。このうち、学部学生が1万6200人、大学院修士課程が7000人、博士課程が3100人、そして外国からの留学生が1760人も在籍しています。さらに、成人教育とインターネット教育を受ける学生も合わせて約1万6800人となります。大学のメインキャンパスは上海市楊浦区邯鄲路220号に位置し、現学長は許寧生氏です。

大学の沿革

復旦大学は、著名な教育者である馬相伯により、私立の復旦公学として創設されました。名前は古典の「尚書」から引用されており、その意味は、日や月の光が永遠に続くというものです。1917年には私立復旦大学と改称し、1937年の日中戦争に伴い重慶に移転しました。そして、1941年に国立大学としての位置付けが確立されました。戦後、1946年に上海へと再び戻り、1950年と1952年には大規模な再編が行われました。1954年には、復旦大学は全国最先端の国家重点大学として認められるようになり、2000年には上海医科大学との合併により医学部も含む形になりました。

大学の組織構成

現在、復旦大学は17の学院（日本の学部に相当）、69の系、73の専攻学科を持っています。特に、40の学科が国家重点として指定されています。学問の分野は理科から文科まで多岐にわたり、研究所も77の機関が存在します。

社会問題と国際的な影響

2015年、復旦大学のPRビデオが東京大学のものを盗作したとして謝罪する事態が発生したことは、同大学のブランドに影響を及ぼしました。また、2019年の大学憲章改正では「思想の自由」に関する言及が削除され、「共産党の指導に従うこと」を強調する内容が盛り込まれ、教育界における自由の制約が懸念されました。

ブダペストキャンパスの設立計画

復旦大学は2024年にハンガリーのブダペストに新たなキャンパスを開設する計画を発表しました。プロジェクトには大規模な建設費がかかる見込みで、中国がその資金の大半を出資することになっています。しかし、この計画は地元の住民や市長からの強い反発を受けており、合意形成が難航しています。特に、ハンガリー内での対中依存が高まるのではないかという懸念が広がっており、一部の地域では新たな道路名が改称され、中国政府の人権問題への抗議の意図が表れています。また、復旦大学の設立に反対するデモが行われるなど、国内外での意見対立が続いています。

結論

復旦大学は歴史、規模、教育の質において、中国の教育界で重要な役割を担っていますが、特に国際関係や社会問題においても注目されており、今後の動向には目が離せません。

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