微笑 (近藤啓太郎の小説)

小説『微笑』とテレビドラマの展開

近藤啓太郎の小説『微笑』（びしょう）は、1974年に発表された作品で、夫婦の愛や闘病の姿を描いています。この物語は、近藤が千葉県鴨川に住んでいた頃、妻が卵巣癌と闘った実体験に基づいています。近藤の妻は病に苦しみながらも、夫や子どもたちとの温かい関係を築いていきます。献身的な夫の支えや、家族、友人たちからの励ましを交えながら、ユーモアと感動が織り交ぜられた深いストーリーが展開されます。

テレビドラマ化

この感動的な物語は、1975年と1978年にテレビドラマとしても制作されました。どちらのバージョンも、多くの視聴者に深い印象を与えました。

1975年版

1975年のドラマは、4月1日から5月20日まで、日本テレビ系列の火曜劇場枠で放送されました。主演には高峰秀子が近野由美役を務め、千秋実、栗田ひろみ、藤江喜幸らが共演しました。また、医師役には中村伸郎や佐藤英夫などが登場し、物語に深みを加えました。この作品は、近藤の原作に基づき、山田信夫が脚本、野末和夫が演出を担当しました。

キャスト一覧

• - 近野由美：高峰秀子
• - 近野祐太郎：千秋実
• - 近野文（長女）：栗田ひろみ
• - 近野祐一郎（長男）：藤江喜幸
• - 美恵（お手伝い）：沢田雅美
• - 大久保（医師）：中村伸郎
• - 本村（友人）：神山繁
• - 亀田郁郎（医師）：佐藤英夫

1978年版

1978年版は、7月3日から8月25日までTBSで放送された「花王 愛の劇場」枠にて制作されました。このバージョンでは、河内桃子が多美役を演じ、山内明や清水めぐみなどがキャストに加わりました。スタッフには、近藤の原作をもとに秋田佐知子が脚本を手がけ、制作は東京映画とTBSが担当しました。

キャスト一覧

• - 多美：河内桃子
• - 賢太郎：山内明
• - 文子：清水めぐみ
• - 賢一郎：池田広法

主題歌

1978年版のドラマでは、「微笑」という主題歌が使用されました。この歌は、たんぽぽが歌い、作詞は山口洋子、作曲と編曲は梅垣達志が手がけています。

結論

小説『微笑』は、夫婦の絆や愛、闘病の現実を描くことで、多くの人々に感動と共感を呼び起こしました。テレビドラマとしてもそのテーマは色褪せることなく、大きな影響を与え続けています。

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