徳井淑子

徳井淑子の研究と業績

徳井淑子（とくい よしこ）は、1949年1月2日生まれで、栃木県宇都宮市出身の服装史研究者です。お茶の水女子大学の名誉教授として知られ、専門はフランス服飾と文化史であり、多岐にわたる業績を残しています。

学歴とキャリア

徳井の学びは1972年、お茶の水女子大学の家政学部被服学科を卒業することから始まりました。その後、1976年から1978年にかけて同大学にて助手として活動し、1984年には大学院の人間文化研究科比較文化学博士課程を満期退学しました。その後、放送大学で助教授を務め、1988年には再びお茶の水女子大学にて助教授に就任。生活科学部の教授として、2014年に定年退任し、名誉教授へと昇進しました。2003年には「着衣の文化にみる感性の歴史 ヨーロッパ中世と中世趣味」により、信州大学から博士号を取得しています。

主な著書

徳井淑子の著作は、服装や文化の重要な資料として多くの読者に支持されています。1995年に出版された『服飾の中世』では、中世の服飾に関する深い洞察を展開し、2006年の『色で読む中世ヨーロッパ』では、色彩が中世ヨーロッパの文化にどのように影響を与えたのかを考察しました。2023年には『中世ヨーロッパの色彩世界』を発表し、色の重要性を掘り下げています。

また、2010年には『図説ヨーロッパ服飾史』を発表し、視覚的な資料を通じてヨーロッパ服飾の歴史を紹介しています。2012年に発表された『眼と涙の文化史 中世ヨーロッパの標章と恋愛思想』では、標章と恋愛思想に関連する文化的な観点を考察し、独自の視点から分析を行いました。

共編著料と翻訳

徳井はまた、共編著名の著作も数多く手がけています。放送大学で1986年と1990年に発表した『衣服論 服飾の美意識』および『衣服論 服飾の歴史と現代』は、服飾に関する多角的な視点を提供しています。さらに、2016年には『フランス・モード史への招待』を発表し、フランスの服飾史について詳しく解説しています。

翻訳作品としては、2000年に編訳した『中世衣生活誌 日常風景から想像世界まで』や、2009年にシシルの『色彩の紋章』を共訳したことでも知られています。

監修と論文

徳井は専門知識を生かし、様々な作品の監修も手掛けています。『ポーケのファッション画集 19世紀の銅版画家 フランスと異国の貴族・民衆の服装』や、全5巻からなる『ビジュアルでわかる世界ファッションの歴史』の監修を担当しています。

まとめ

徳井淑子の研究と著作は、特にフランスの服装と文化についての重要な参考資料として、服装史の分野において非常に価値があります。彼女の業績は、今後も学術的に貴重なものとされ、服装史の研究を深める上での指針となることでしょう。

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