徳島県立徳島工業高等学校

徳島県立徳島工業高等学校

徳島県立徳島工業高等学校（とくしまけんりつ とくしまこうぎょうこうとうがっこう）は、かつて徳島県徳島市北矢三町に校舎を構えていた公立の高等学校です。地域産業の発展に寄与する技術者の育成を担ってきましたが、2009年4月1日をもってその歴史に幕を閉じました。徳島県立徳島東工業高等学校、徳島県立水産高等学校と統合され、新たに徳島県立徳島科学技術高等学校として再編されたためです。統合後の徳島科学技術高等学校は、旧徳島工業高等学校の敷地を引き継いでいます。

沿革

学校の起源は明治時代に遡ります。1902年に徳島県立工業学校の設立が認可され、2年後の1904年に開校しました。これが徳島工業高等学校の礎となります。第二次世界大戦後の学制改革に伴い、1948年には徳島県徳島工業高等学校と改称。翌1949年には徳島市立工業高等学校との統合が行われ、規模を拡大しました。しかし、この統合は長くは続かず、1956年にはかつての市立工業高等学校の部門が徳島県立徳島東工業高等学校として分離独立し、本校は改めて徳島県立徳島工業高等学校として歩むことになりました。

その後も技術教育の拠点として歩み続け、2004年には創立100周年という大きな節目を迎え、記念式典が盛大に執り行われました。閉校が迫る2007年には、新入生から統合後の徳島県立徳島科学技術高等学校で使用される新しい制服が採用されるなど、変化への準備が進められました。そして、2009年4月1日、徳島県立徳島科学技術高等学校への統合という形で、100年以上の歴史に終止符を打ちました。

設置学科（閉校時）

閉校を迎えた2009年3月時点では、以下の工業系の専門学科が設置されていました。時代のニーズに応じた多様なコースが用意され、生徒たちの専門性を深める教育が行われていました。

工業I類
工業デザインコース
建築コース
土木工学コース
工業II類
機械コース
電子機械コース
電気応用システムコース

これらの学科・コースを通じて、生徒たちはものづくりや社会基盤整備に関わる専門知識と技術を習得しました。

校歌

徳島県立徳島工業高等学校の校歌は、北岡信秀氏が作詞を手がけ、高橋尚孝氏が作曲を担当しました。卒業生や関係者にとって、母校を偲ぶ大切な歌となっています。

所在地

学校が置かれていたのは、〒770-0006 徳島県徳島市北矢三町2丁目1-1でした。この場所は、現在も徳島県立徳島科学技術高等学校の校地として利用されています。

主な卒業生

本校からは、様々な分野で活躍する多くの人材が輩出されました。その一部を以下に挙げます。

高橋 真輝（プロ野球選手）
遠藤 和良（政治家、元公明党衆議院議員）
篠原 央憲（詩人）※旧制工業学校卒
板東 春彦（ミュージシャン）※中退
富原 忠夫（競輪選手、元社会人野球選手、日本自転車競技連盟会長）
原田 研太朗（競輪選手）
* 佐々木 裕司（ラグビーレフリー）

スポーツ界、政界、文化・芸術分野など、多岐にわたる分野で卒業生たちが活躍し、社会に貢献しています。

徳島工業高等学校は閉校しましたが、その歴史と伝統、そして卒業生たちの活躍は、地域社会の中に息づいています。

もう一度検索