徳島県立貞光工業高等学校

徳島県立貞光工業高等学校

徳島県立貞光工業高等学校（とくしまけんりつさだみつこうぎょうこうとうがっこう）は、かつて徳島県美馬郡つるぎ町に校舎を構えていた公立の工業系高等学校です。地域社会の発展に貢献できる技術者の育成を使命とし、1967年に独立開校して以来、様々な分野で活躍する人材を輩出してきました。

沿革

本校の歴史は、それ以前の教育機関に源流を持ちます。1958年（昭和33年）、徳島県立美馬商業高等学校に工業に関する課程が設けられた際、校名は徳島県立美馬商工高等学校へと変更されました。この商工高校から、工業教育部門が独立する形で、1967年（昭和42年）に徳島県立貞光工業高等学校が誕生しました。

独立後、貞光工業高校は地域に根差した工業教育を推進してきましたが、学校再編の流れを受け、2014年（平成26年）には、旧称のルーツでもある徳島県立美馬商業高等学校との統合が決定されました。この統合により、新たに徳島県立つるぎ高等学校が美馬郡つるぎ町に設立され、貞光工業高等学校はその役割を終え、閉校となりました。

設置学科

貞光工業高校では、時代や産業界のニーズに応じた多様な技術分野の学科が設置されていました。主な学科構成は以下の通りです。

電気科: 電気に関する基礎から応用までの知識と技術を学びました。
機械科: 機械の設計、製造、運用など、機械工学全般にわたる教育が行われました。
建設科: 2009年度（平成21年度）に新設された学科で、建築や土木に関連する技術や知識を習得しました。

また、過去には以下の学科も存在しましたが、カリキュラムの見直し等により廃止されています。

土木科: 2010年度末（平成22年度末）をもって閉科しました。
建築科: 土木科と同様に、2010年度末（平成22年度末）をもって閉科しました。

これらの学科を通じて、生徒たちは専門的な技能と知識を身につけ、卒業後は地元を中心に様々な産業分野で活躍しました。

部活動

学業だけでなく、部活動も活発に行われていました。中でも、ラグビー部は特筆すべき存在であり、徳島県内の高校ラグビー界においては常に強豪校の一つとして数えられていました。全国高等学校ラグビーフットボール大会、通称「花園」への出場経験も豊富であり、全国の舞台でその名を轟かせました。

本校のラグビー部からは、柴田和宏氏や秋山陽路氏など、後にトップレベルで活躍するラグビー選手も輩出されており、学校の誇りとなっていました。

所在地

閉校時の所在地は、徳島県美馬郡つるぎ町貞光字馬出63番地2でした。

まとめ

徳島県立貞光工業高等学校は、およそ半世紀にわたり、つるぎ町をはじめとする地域の工業教育を牽引してきました。多くの卒業生が各界で活躍し、地域産業の発展に寄与しました。閉校という形でその歴史に区切りがつけられましたが、貞光工業高校で培われた技術や精神は、後継校である徳島県立つるぎ高等学校へと引き継がれ、新たな形で地域の未来を担う人材育成に貢献しています。学校が果たした教育的、文化的な役割は、地域の人々の記憶の中に深く刻まれています。

関連項目

徳島県高等学校の廃校一覧
* 日本の工業高等学校一覧

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