徳川義親

徳川義親 (とくがわ よしちか)

概要

徳川義親は1886年10月5日に生まれ、1976年9月6日に89歳で逝去した日本の政治家であり、著名な植物学者としても知られています。尾張徳川家第19代当主であり、貴族院議員として活動しながら、戦前には第25軍の軍政顧問を務めました。彼は虎狩りの愛好者としても有名で、戦後は日本社会党を支援し、文化活動にも力を注ぎました。自伝『最後の殿様』では彼の人生が語られています。

生い立ち

義親の父は越前松平家の松平慶永で、母は糟屋婦志子です。幼少期に父を失い、母のもとで育ちます。学習院初等科に入学するも、その当初は成績が優秀ではなく、自己研鑽に努めます。1908年には尾張徳川家の養子となり、家督を継いで「義親」と名乗ることになります。

学問と冒険

義親は、東京帝国大学で史学科を専攻し、後に植物生理学に興味を持ち、生物学研究所を開設しました。また、狩猟にも積極的で北海道での熊狩り、マレー半島での虎狩りを楽しみ、「熊狩りの殿様」として知られるようになります。

学生時代から冒険を好み、1911年には植物学の学士としての道を歩みつつ、1918年には徳川生物学研究所を設立しました。また、1917年から1920年にかけて毎年北海道に訪れ、熊狩りを行っていました。続いて、1921年にはマレー半島へ向かい、従来の狩猟に新たな挑戦を加えました。「虎狩りの殿様」としても名を馳せました。

政治活動

義親は1924年に貴族院議員に選出され、貴族院改革運動を展開する中で、革新貴族として注目を集めました。しかし、政治的影響力は限定的で、後に右翼団体や国家革新運動に関与します。

戦後活動

戦後、義親は公職追放を受け、日本社会党の顧問となり、その後の役風や生活の変化に苦しむことになります。華族制度の廃止により、多くの資産を失い、普通の市民として新たな人生を歩むことを余儀なくされました。

1956年には名古屋市長選に出馬しますが、落選。その後は文化活動や社会活動に力を入れ、長年に渡り日本社会に寄与しました。

晩年と死

晩年は病気を抱えながら生活し、1976年に帰らぬ人となります。遺骨は尾張徳川家の納骨堂に納められました。彼の人生は日本の歴史の中で特異な存在であったことを証明しています。

評価

義親の評価は、その斬新な視点や政治活動、文化活動の多様性により高まりました。彼の活動は単に貴族としての枠を超え、社会や文化面での影響を持つ存在として今も語り継がれています。

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