徳間デュアル文庫

徳間デュアル文庫について

徳間デュアル文庫は、徳間書店が手掛けるSFとライトノベルを中心とした小説のレーベルです。このレーベルは、2000年8月に創刊され、2010年12月にその活動を終了しました。その特徴としては、文庫本としては少し大きめのサイズであるトールサイズ（約110mm×158mm）が選ばれ、一般的な文庫のサイズよりも目を引く存在感を持っていました。しかし、このサイズのため、通常のブックカバーが使えなかったり、本棚に収まりきれないこともあったため、特有のメリットとデメリットが存在していました。

デュアル文庫という名は、「二重」を意味する「デュアル（dual）」に由来し、小説とイラストの両方を楽しんでもらうという企画意図が込められています。各巻の表紙にはカラーイラストが使用されており、また作品の中には挿絵も多く散りばめられていました。これにより、文章だけでなく視覚的な楽しみも提供することができたのです。

収録される作品は主にSFジャンルに焦点を当てており、『銀河英雄伝説』などの名作が再録されたり文庫化されたりしました。加えて、日本SF新人賞を受賞した作家の作品やアンソロジーも幅広くラインナップに加わり、新旧の作家が揃う多彩な内容となっていました。このレーベルは、一般文芸で活躍する作家の作品を取り扱うこともあり、一般書籍から文庫として再版されたものや、逆に一般文芸から文庫落ちした作品も存在していたため、一般文庫としての役割も果たしていました。

作品の特徴

徳間デュアル文庫の作品は、SFを主体としながらも非常に多様性に富んでいました。新進気鋭の作家による新作や海外作品の翻訳はもちろん、著名な作家の過去の作品が再評価される傾向もありました。また、各作品にはストーリーを補完するための挿絵が挿入されており、読者にインパクトを与え続けました。

終焉とその影響

2010年に刊行が停止されるまで、約10年間にわたり多くの作品が発行され、多彩な作家がデビューの場となりました。最後の刊行から年数が経つにつれ、デュアル文庫はそのユニークな特性からファンの間で語り継がれることとなりました。特に独自のサイズやデザインから、自宅の書棚に並べられた徳間デュアル文庫の本は、当時を懐かしむ印象的な存在となっています。

このように、徳間デュアル文庫は単なる出版レーベルの枠を超え、SF小説やライトノベルの世界に多大な影響を与え、独特の文化を築いたと言えます。

参考

• - 徳間デュアル文庫 新刊情報 - ウェイバックマシン
• - 関連項目: 文庫レーベル一覧

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