心の友 (五輪真弓の曲)

心の友（こころのとも）

「心の友」は、五輪真弓によって1982年に発表されたアルバム『潮騒』に収められた楽曲です。この曲はシングルとしてリリースされることはなく、またテレビやラジオでの紹介もなかったため、日本ではあまり知られていません。しかし、1980年代中頃にインドネシアで広まり、同国の第2の国歌とも言われるほどの人気を誇っています。

インドネシアでの人気の起源

この楽曲のインドネシアでの人気は、1983年に五輪真弓のコンサートを聴いた現地のラジオ関係者によって広まったことがきっかけでした。この関係者はアルバムを持ち帰り、現地で放送した結果、「心の友」は1985年頃には大ヒットとなりました。それに続き、中学校の音楽の授業でも課題曲として取り入れられ、多くの学生に親しまれるようになったのです。このように、インドネシアにおいては多くの人々がこの曲を通じて日本文化を知るきっかけとなりました。

重要なイベントでの披露

1986年には五輪自身がジャカルタでコンサートを開催し、さらに1987年の第38回NHK紅白歌合戦でこの曲を披露しましたが、日本での知名度は依然として低いものでした。その後、2004年のスマトラ沖地震では、被災者たちが歌を口ずさみ、彼らにとって心の支えとなったと言われています。また、2005年には、この曲がスマトラ沖地震チャリティ・シングルとして五輪真弓とインドネシアのアーティストDELONとのデュエットによって日本で発売されました。

2014年には、駐日インドネシア共和国大使館公邸で「Kokoro No Tomo POP!」というTV番組の記者発表会で五輪とCHEMISTRYの川畑要がデュエットを披露。夫人の安倍昭恵も来賓として出席しました。2015年には、ジャカルタで行われた日本祭りの閉幕式で五輪やロックバンドJ-Rocks、学生たちによるミュージカル劇団との共演が実現しました。

メディアでの使用とカバー

2013年には、インドネシアのメトロTVで放送された日本文化紹介番組『Kokoro No Tomo – Sahabat Sehati』に同名のタイトルが使われ、自国での認知度を高めました。また、いくつかのカバーも存在し、シンガポール出身の歌手たちによるものや、川畑要が行ったオリジナルのカバー、さらにはインドネシア人ミュージシャンによるバージョンなどが制作されています。特に、川畑要のカバーは多くの支持を受け、映画の主題歌にも採用されました。カバーアーティストには、片平里菜やZiviliaなどがあり、彼らもこの名曲を独自に解釈し、さまざまなスタイルで再構築へと挑みました。

現代の文化的影響

この曲は、インドネシアの音楽シーンに大きな影響を与え続けており、今後も世代を超えて多くの人々に愛される存在であり続けるでしょう。心の友はただの楽曲ではなく、異文化交流の象徴であり、人々を繋げる絆を育てる役割を果たしています。

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