心奏

心奏(らら)は、日本の多才なアーティストです。ヴァイオリンの演奏と歌唱を同時に行う独自のスタイルで活動し、ヴァイオリニスト歌手だけでなく、タレントラジオパーソナリティ、ナレーターとしても活躍の幅を広げています。

芸名である「心奏(らら)」は、「心から奏でてららら〜」という響きから名付けられた当て字だとされています。デビュー時にこの名前が命名されましたが、本人はかつてライブのMCで、実は他の候補を望んでいたとユーモラスに語ったエピソードがあります。

キャリアはデビュー前から始まっており、著名な音楽家たちと共演しながらポップ・ミュージックシーンで活動をスタートさせました。特に、当時としては珍しかったロックバンドにおけるヴァイオリン演奏は注目を集めました。多くのステージに出演する傍ら、商業CMの楽曲演奏や、様々なジャンルのレコーディングにもメンバーとして参加するなど、その活動は多岐にわたっていました。

歌手としての正式なデビューは2008年です。ボリショイサーカス日本公演のイメージソング「私はピエロ」でその歌声を披露しました。同年、同公演のサブイメージソングには、自身が作詞・作曲・ヴァイオリン編曲を手がけた「虹色のクレヨン」が起用され、サーカスの団員たちと共に日本国内のほぼ全ての公演でパフォーマンスを行うという貴重な経験を積みました。また、世界でも数少ないピッコロヴァイオリン奏者として知られるグレゴリー・セドフ氏とも、二度にわたるコンサート共演を果たしています。

2009年には、レコード会社バップからシングル「あなたがいたから」をリリースし、メジャーデビューを果たしました。この楽曲は森進一氏のカバーですが、原曲とは異なり、曲の前奏、間奏、後奏にヴァイオリン演奏をフィーチャーするためにアレンジが加えられている点が大きな特徴です。

故郷である群馬県渋川市への貢献も積極的に行っています。2013年には渋川市観光大使に就任し、地域の魅力を発信する活動を開始。同年、ユニバーサルミュージックから「スカイツリーで逢いましょう」と「お山の公園」というシングルをリリースしています。さらに2022年には、再び渋川市の応援大使に任命され、地域振興への取り組みを続けています。

舞台への出演経験もあり、2017年には文化庁芸術祭参加作品『浅草オペラ100周年記念 あぁ夢の町 浅草』に、唯一のヴァイオリニストとして約1ヶ月間にわたる全公演に出演しました。2019年の再演時にもヴァイオリンソリストとして参加しただけでなく、ヴァイオリニストとしては異例となる役付き、台詞付きでの出演も果たし、表現者としての幅広さを見せました。

近年特に注目される活動の一つに、ミュージシャンの泉谷しげる氏との連携があります。2019年以降、泉谷氏の「アートオブライブ」に全国各地で共演者として参加。ラジオ番組「Rala♡la 音楽室」にも泉谷氏が複数回ゲスト出演しており、その親交の深さが伺えます。心奏はアートオブライブや泉谷氏のイベントに同行し、ヴァイオリン演奏だけでなく、イベントの司会や地方番組への出演調整など、アシスタント的な役割まで全般的に担っているといいます。

また、故郷・渋川市での地域活性化イベントでは、自ら泉谷氏をゲストに招くことを企画。渋川市長へ直接アポイントメントを取り、イベントの開催を直談判しました。単に出演するだけでなく、イベントの企画・運営、さらには事前のPR活動や番組出演のセッティング・ブッキングまでを一人で請け負ったというエピソードは、イベント開催時に本人の口から明かされ、その行動力と故郷への熱い思いが話題となりました。

ソロ活動と並行して、様々なアーティストのレコーディングやライブにヴァイオリニストとして参加しています。参加したアーティストには、MAN WITH A MISSION泉谷しげる氏、生沢佑一氏、Aldiousなどが挙げられます。

音楽活動以外では、衣装のデザインとプロデュースを手掛けるクリエイティブな一面も持ち合わせています。また、群馬県内で市民大学講座の講師を務めるなど、教育・文化分野への貢献も行っています。

ラジオパーソナリティとしては、レインボータウンFMで自身の冠番組「Rala♡la 音楽室」を担当しています。当初30分だった放送時間は拡大され、公開生放送形式で放送されています。前述の泉谷しげる氏が出演した際、「ノーギャラで来た」と発言したことで、番組ゲストは心奏自身が親交のある音楽仲間へ直接オファーしていることが明らかになりました。

歌手ヴァイオリニストとして、また多方面で表現活動を行うアーティストとして、心奏はジャンルやメディアの枠を超え、精力的に活動を続けています。主な作品には「私はピエロ」「あなたがいたから」「スカイツリーで逢いましょう」「風のでんわ」「飛行」「キミ思フ。」などがあります。舞台では『浅草オペラ100周年記念 あぁ夢の町 浅草』や朗読舞台『手紙〜届かなかったラブレター』などに出演。ラジオ・テレビでも多数の番組でその才能を発揮しています。

ヴァイオリンの音色と歌声を届けながら、様々な人々や地域と関わり、表現の可能性を広げているアーティスト、それが心奏です。

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