心月無想柳流

心月無想柳流（しんげつむそうやなぎりゅう）

心月無想柳流は、日本における武道の流派の一つで、その成立は肥前国伊万里の地に根ざしています。この流派は、柔術、剣術、棒術、小薙刀術など、多岐にわたる武技を包含しており、武士や武道愛好者にとって貴重な技術体系を提供しています。

歴史的背景

流派の創始者である岩永源之亟は、肥前国伊万里に生まれ育ち、幼少期より武道に親しんでいました。彼の父、仁左衛門義景は、柳生流の剣術や柔術の達人であり、源之亟はその教えを受けて成長しました。また、鍋島藩の古賀重太夫から楊心流柔術を学ぶことで、彼の武道の技術は一層深まりました。さらに、全国各地での修行を通じて、播州赤穂の大国鬼平重信に師事し、高木流柔術と九鬼神流棒術を習得し、免許皆伝を得たことで、心月無想柳流の基盤が築かれました。

源之亟は、父の死を受けて故郷に戻り、宝暦三年に心月無想柳流を創設しました。以来、この流派は佐賀県を中心に広がり、武道の技術を受け継いできました。現在では、十二代宗家である岩永源三郎が兵庫県尼崎市の修道館道場で指導を行っており、武道の伝承が続いています。また、岩永源一光教の弟子である川村八朗は、兵庫県西宮市で活動し、心月無想柳流の教えを広めています。

技術体系

心月無想柳流は、以下のような技法を含んでいます：

柔術

• - 初伝之形　：五十二手に及ぶ基本的な技を修得
• - 體術之形　：身体技法を用いた十五手
• - 調之形　　：相手との調和を重視した四十五手
• - 無刀捕之形：無刀での捕り技術として二十五手
• - 大小捌　　：対相手における大小の技を駆使

剣術

• - 伝統的な剣の技術を学び、実践

小薙刀

• - 小薙刀を用いる技法を含む

九鬼神流棒術

• - 棒を使った戦術を習得し、実践に生かす

系譜

心月無想柳流には、数代にわたる師範が存在し、次のような系譜が続いています：

• - 岩永源之丞正光
• - 岩永源次郎光治
• - 岩永兵部光興
• - 岩永與左衛門正近
• - 松尾彦四郎正次
• - 岩永惣左衛門能正
• - 岩永源介光義
• -多久島笹一則光
• - 岩永源一光教
• - 布谷功百畊
• - 加納武彦錬岳
• - 岩永源三郎正義（修道館）
• - 川村八朗（甲武館）

結論

心月無想柳流は、確固たる歴史と多様な技術を持つ武道であり、現代でもその伝承が続いています。武道を学ぶ者にとって、深い意味と技術を持つこの流派の理解は、より良い武道家としての成長に寄与するでしょう。

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