心鏡流

心鏡流の概要

心鏡流（しんきょうりゅう）は、日本の伝統武道の一つで、主に槍術、薙刀術、鎖鎌術を扱う流派です。この流派は1684年、山根由房（山根左五右衛門）によって創設されました。彼は高橋新五左衛門から風伝流槍術を学び、その教えを基に心鏡流を確立したと言われています。

発展の経緯

心鏡流は彦根藩で伝承され、この藩の藩校では心鏡流の槍術が教えられていました。藩校での教授により、流派は広まり、次第に武道の一端として位置づけられるようになりました。特に注目すべきは、彦根藩でこの流派を学んだ土方常介が、薙刀術と鎖鎌術を加賀藩に伝えたことです。土方の影響によって、加賀藩の藩校・経武館においても心鏡流の教えが受け継がれるようになりました。

現在の状況

しかし、心鏡流に関する文献資料は少なく、流派の詳細については不明な点が多いのが現状です。現在、確実に伝承されているのは、加賀藩に伝えられた系統の鎖鎌術（草鎌）のみです。この流派は石川県内で今もなお行われており、地域の武道文化の一部として息づいています。

参考文献

心鏡流についての詳細な情報は、以下の文献に記載されています。

• - 日本古武道協会 編『日本古武道総覧 平成九年度版』 島津書房 1989年
• - 綿谷雪・山田忠史 編『増補大改訂 武芸流派大事典』 東京コピイ出版部 1978年

これらの資料を通じて、心鏡流に関する歴史や技術を深く理解することができます。流派が誕生してから数世代にわたり、武道の精神と技術を受け継いできたことに感謝しつつ、現代における武道の在り方を見つめ直す良い機会となるでしょう。

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