鎖鎌術

鎖鎌術の概要

鎖鎌術（くさりがまじゅつ）は、鎌を基にした武術で、独特の武器を用いて戦う特徴があります。この技術は鎌を片手に持ち、もう一方の手で鎖に分銅をつけて振り回し、相手に打ち付けることで攻撃を行います。また、鎖を使って相手の武器を巻きつけ、そのまま奪ったり、鎌でとどめを刺す技も含まれています。鎖鎌術はしばしば薙刀術や杖術と一緒に伝承されることが多いです。

歴史と背景

鎖鎌は元々農民によって使われていた武器であり、彼らが戦場において鎌を手にしたことが起源とされています。しかし、この武術は武士たちの武芸の中にも取り入れられ、武士たちが身につける武芸十八般に含まれるようになりました。戦場での利用法としては、足軽が使用する陣鎌があり、この技術は異なるものですが、甲冑を着た兵が行う総合的な武術においては、しばしば併伝されます。

鎖鎌の構造

鎖鎌の形状や長さ、それに鎖の位置については流派によって異なります。完全に同じ形の道具が見つかることは稀で、流派ごとの特徴があります。たとえば、秀杖会の一心流鎖鎌術では、一尺の両刃の鎌と手を守るための鉤がついた特殊な形状の鎌が用いられています。この流派では、分銅の重さはおおよそ三十匁で鎖の長さは一丈二尺に及ぶとされています。実際の稽古では、分銅には綿を鹿革で包んだものが使用され、鎖には麻紐、鎌は通常、木製のものが使われます。さらに、鎖の長さは状況に応じて調整され、柄や鉤も多様な用途で用いられます。

主要な流派

鎖鎌術には多くの流派が存在し、それぞれ独自の技術を展開しています。代表的な流派には以下のものがあります：

• - 心鏡流
• - 一心流（神道夢想流杖術に付属）
• - 山田流鎖鎌術（不遷流柔術に付属）
• - 二刀神影流（大正時代に創始）
• - 卜伝流（柳剛流剣術に併伝、伊勢の系統）
• - 金輪流
• - 正木流福原派（水鴎流に併伝、正木流の一派）

また、各流派には様々な武器術も関連しており、たとえば、正木流、荒木流、竹内流、渋川流、渋川一流、楊心流（薙刀術）、天道流、戸田派武甲流[[薙刀術]]、駒川改心流、柳生心眼流、直猶心流（直心影流[[薙刀術]]に併伝）、気楽流などが存在します。

このように、鎖鎌術は農民から武士へと広がる過程で、さまざまな流派によって伝承され、その実践方法も多様化してきました。それぞれの流派が独自の技術と哲学を持ち、今日に至るまでその魅力を伝えています。

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