必殺ワイド・新春 久しぶり!主水、夢の初仕事 悪人チェック!!

『必殺ワイド・新春 久しぶり!主水、夢の初仕事 悪人チェック!!』

概要

1988年1月8日22:00から放送された『必殺ワイド・新春 久しぶり!主水、夢の初仕事 悪人チェック!!』は、テレビ朝日系列の人気時代劇『必殺』シリーズの第10弾にあたる長時間スペシャルです。本作は、ABCと松竹による共同製作であり、主演を藤田まことが努めています。ストーリーは、藤田が撮影中の事故で気絶し、その夢の中で『必殺』のキャラクター・中村主水として奮闘するという独特な展開で描かれています。

物語の背景

本作の特徴は、撮影現場から始まる所にあります。業界内部を意識したドラマの流行を反映し、藤田まことは撮影中のトラブルで夢の世界へ。彼が元々は俳優であることに絡めて、物語は架空の現実と夢の交錯を織り交ぜています。サブタイトル「悪人チェック」は、当時人気の番組『ニュースステーション』のコーナー名に由来しており、独自の切り口で視聴者を引き込みました。

撮影のアクシデント

撮影は京都映画撮影所で行われており、藤田が演じる中村主水の仕事シーンが中心ですが、監督の意向で撮影が中断されます。そこで繰り広げられるスタッフやキャストのコミカルなやり取りが、映像の中で活かされています。特に、藤田と監督の意見衝突はリアルな業界の一面を映し出し、キャラクターたちの反応が楽しめるシーンとなっています。

撮影の最中、藤田が屋根の上での殺陣を演じている際にアクシデントが発生。滑って屋根から落下してしまい、気を失うことになります。ここから、本作のメインストーリーが展開されます。

夢の中での冒険

藤田が目を覚ますと、そこは江戸時代。彼は中村主水として悪に立ち向かうことになります。最初は戸惑いを見せる藤田ですが、次第に演じてきたキャラクターとして覚醒し、様々な敵と戦いながら事件を解決していきます。通常の『必殺』シリーズとは異なり、夢オチが前提のため、展開が非常に自由自在になり、視聴者を驚かせる要素が盛り込まれています。

登場人物

この作品の魅力の一つは、多彩なキャラクターたちです。藤田まことが演じる中村主水を中心に、鍛冶屋の政や何でも屋の加代、異国の仕事人・鬼丸など、個性的な役柄が揃います。特に鬼丸は、片言の日本語を話し、異国情緒を醸し出しながらも、仕事に取り組む姿勢が新鮮です。主水が周囲の仲間と協力しながら悪と戦う姿は、シリーズファンにとっても見どころの一つとなっています。

刺激的な演出

本作には主題歌や挿入歌はないものの、シーンごとに『必殺仕事人』のナレーションや劇伴BGMが巧みに使われています。特に、クライマックスの際に流れる「観音長屋のテーマ」が、視覚と聴覚で観る者を引き込みます。エンディングでは藤田が夢から覚めた後のスタッフとのやり取りがあり、リアルとフィクションの境界を曖昧にする演出が光ります。

このように『必殺ワイド・新春 久しぶり!主水、夢の初仕事 悪人チェック!!』は、ユニークなストーリー展開と多様なキャラクター、そして巧みに効果を用いた演出により、視聴者に深い印象を残す作品となっています。

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