必殺始末人

必殺始末人について

『必殺始末人』は、1997年から1998年にかけて制作された映画およびオリジナルビデオ作品のシリーズです。本作は、長く続いた必殺シリーズにおいて、特に異なるスタイルで制作された作品となっています。シリーズの中で重要なキャラクターである中村主水（演者：藤田まこと）が登場する最後の作品として位置づけられています。

制作の背景

本作の制作は、1996年に公開された『必殺! 主水死す』から約9か月後に開始されました。シリーズの製作を担当する中で、映画としての特異性を追求した点がこの作品の特徴です。監督を務めたのは、石原興氏で、彼はシリーズのメインカメラマンとしての経験を持ち、また、テレビシリーズやスペシャル版の演出を行ってきた実績があります。初めて劇場用映画の監督を務めることとなり、この新しい挑戦は彼のキャリアにとっても重要な意味を持ちました。

作品の目的とサテライトシアター

第1作は、松竹が計画した夜間上映を行うサテライトシアターシステムに協力する形で制作されました。このシステムは、お客様に独特で味わい深い映画を提供することを目指していましたが、経営合理化や一部劇場の閉鎖により、その後の展開はなされませんでした。その後の作品としては、第2作『乱れ咲く女役者の夢舞台』および第3作『地獄に散った花びら二枚』がオリジナルビデオの形で制作されています。

さらに、映像作品に合わせて漫画版も刊行され、『月刊サスペリア』に1997年11月号と12月号で前後編として掲載されました。

あらすじ

物語は、上方で名を馳せた浪人・山村只次郎が舞台です。江戸へ流れ着いた彼は、過去に剣客としての高い腕前を持つ者として、北町奉行所の与力である白鳥右京に目をかけられ、偽の処刑を受けることになります。これがきっかけで、只次郎は「お上が裁けぬ悪を裁く」始末人として生まれ変わることになります。

しかし、彼は私欲に走る白鳥に対抗し、「地蔵屋」の女将おとらを元締めとし、新たな始末人として裏稼業に乗り出します。このように彼は、不正を正す者としての道を選び、物語が展開していきます。

キャスト

• - 山村只次郎：田原俊彦
• - かもめ：南野陽子
• - リュウ：俊藤光利
• - おとら：樹木希林

また、ゲストキャストも参加しており、作品にさらなる深みを与えています。

スタッフ

• - 製作：櫻井洋三、鍋島壽夫
• - プロデューサー：佐々木勇
• - 脚本：鈴木生朗（第1作）、大津一瑯、綾部伴子
• - 音楽：平尾昌晃
• - 撮影：藤原三郎
• - 監督：石原興（第1作）、松島哲也

主題歌

主題歌は、石川さゆりが歌う「恋路 -たび-」であり、この歌は作品の雰囲気を引き立てる重要な要素となっています。

まとめ

『必殺始末人』は、シリーズの中でも特異な位置を占めており、新たな始末人たちの物語が描かれています。映像作品としてだけでなく、漫画や音楽との連動も見逃せない要素です。

もう一度検索