必殺山本るりこ

『必殺山本るりこ』の概要

『必殺山本るりこ』は、唐沢なをきが手掛けたギャグ漫画で、主にスポーツをテーマにした作品です。漫画の連載は、1992年12月号の「まんがくらぶ」および「コミックガンマ」の1992年No.1から1995年No.20まで行われ、その全21話が収められた単行本は1巻のみとなっています。

主な舞台はやどかり高校で、主人公の山本るりこは女子高校生という設定です。彼女は毎回異なる部活動やクラブに所属しており、特にバレーボール部が重要な位置を占めています。作品の特徴として、るりこは熱血コーチによる非常識な特訓に励み、ライバルの金丸信子と競争します。コーチの口癖「お前達の○○にかける情熱はそんなものだったのか」は、漫画全体を通じて繰り返されるユーモラスなフレーズです。

作者はこの作品を「何も生み出さない、毎回同じことを繰り返す漫画」をコンセプトに描いているとしており、そのために展開される毎回のストーリーはトンデモ展開が多いのが特徴です。最初の回ではるりこが演劇学校に所属していましたが、連載が進むにつれ、彼女の設定はバレーボールを中心としたものに変化していきます。また、毎回のエピソードにはるりこの友人の柏木さんが必ず死亡するというパターンも定着しており、これもまた笑いを誘う要素の一つとなっています。

各話の内容

作品は多様な部活動を題材としており、エピソードごとに異なる舞台設定が用意されています。以下にいくつかの代表的な話を紹介します。

• - ああ人生に涙あり（演劇学校）
• - 闘え！動物性プランクトン（ミジンコクラブ）
• - 江戸時代でGO（バレーボール部）
• - ゴジラみたいなの上陸（バレーボール部）
• - 極地征服（水泳部）
• - 血涙！雪合戦（雪合戦部）
• - 海上デスマッチ（バレーボール部）
• - 肉弾！女相撲（女相撲部）
• - 嵐を呼ぶ女（バレーボール部）
• - きよしこのよる（バレーボール部）
• - 乱闘節分（節分部、ひなまつり部）
• - 野望運動会 I・II・III（バレーボール部、運動会部）
• - 死闘！秋の味覚（クリ拾い部）
• - 愛の奴隷（SMクラブ、スカトロ部）
• - 年末進行 I・II（漫研）
• - 感冒勝負（バレーボール部）
• - 春爛漫や花の色（お花見部）
• - スペース・オデッセイ（宇宙バレーボール部）

また、単行本のあとがきには登場する「のろし部」など、作品内のリードオフとは異なる要素も存在することで、読者にさらなる笑いを提供しています。

『必殺山本るりこ』は、ギャグとパロディが融合した作品であり、当時のギャグ漫画の流行を反映しつつ、独自のスタイルを確立した名作と言えるでしょう。

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