必殺必中仕事屋稼業

必殺必中仕事屋稼業

『必殺必中仕事屋稼業』（ひっさつひっちゅうしごとやかぎょう）は1975年1月から6月まで、毎週土曜日に放送された時代劇で、全26話が制作されました。制作は朝日放送と松竹の共同で行われ、TBSテレビ系で放映されました。主演は緒形拳が務め、必殺シリーズの第5作目にあたります。

概要

本作は、シリーズのアイコンともいえる「必殺」の名前が復活した作品で、裏稼業「仕事屋」が悪人を仕置きするという基本的なフォーマットをもとにしたストーリーが展開されます。本作では特に賭博（ギャンブル）がテーマに取り上げられており、主要キャラクターである半兵衛と政吉は賭博狂いという設定です。彼らは度々賭場に赴き、大金を賭けた勝負に挑んでいきます。

物語の中で、依頼人からの助けを求められた際、必要に応じて悪人を仕置きする仕事屋の流儀が描かれています。特に半兵衛と政吉は賭博によって生きながら、裏稼業に足を踏み入れ、徐々にプロの殺し屋へと変貌していく様子が印象的です。彼らは時には賭け事に没頭し、時には他人の命を奪うという緊迫した状況に直面しながら成長していきます。

キャスト陣も個性的で、緒形拳の再登板や草笛光子が女元締として初の役どころを演じることなど、シリーズの歴史に名を刻むキャラクターが揃っています。特におせいは一貫して厳しい態度を取りながらも、自己の息子である政吉との複雑な関係が物語の深みを加えています。

あらすじ

物語は、蕎麦屋「坊主そば」の主人である半兵衛が、博打好きに名を馳せるところから始まります。彼はかつての侍で流れ者の博打打ちである政吉と出会い、互いに賭け事に興じる仲になります。やがて半兵衛は、奉行所の命を狙う悪人を追い、トラブルに巻き込まれていき、その複雑な運命が交錯する中で仕事屋への道を選びます。

半兵衛と政吉は次第に三村という悪人の命を狙うことになりますが、同時にそれぞれの秘められた動機が絡み合っていきます。二人は運命的に出会い、時には反発し合いながらも、最終的には共に命を狙い合うという緊迫した状況に陥ります。

登場人物

• - 半兵衛（演 - 緒形拳）: 蕎麦屋の主人であり博打好き。運命から逃れられない道を歩む。
• - 政吉（演 - 林隆三）: 流れの博打打ち。半兵衛とは運命的な形で出会い、仕事屋に参加。
• - おせい（演 - 草笛光子）: 仕事屋の元締。自身の過去を抱えながら厳しいリーダーシップを発揮。
• - 利助（演 - 岡本信人）: 嶋屋の番頭で密偵。真面目な性格を持つ。

制作の背景

本作は放送中に腸捻転解消の問題に直面したものの、近畿地区での視聴率は高く評価されました。番組が持つ緊張感に対して、多くの視聴者が魅了され、シリーズ最高視聴率を記録するなど、その影響力は大きかったことが伺えます。また、本作は非主水シリーズとしては最後の2クール制作となりました。音楽面でも特徴的で、挿入歌のアレンジが使われるなど、独自のスタイルがみられます。 本作は賭博を中心に、深い人間描写と緊張感のあるストーリー展開が交差しており、必殺シリーズの中でもその完成度の高さが際立った名作として評価されています。

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