忍物語

忍物語

『忍物語』（シノブモノガタリ）は、西尾維新による青春怪異小説で、講談社BOXレーベルから2017年7月に発行された『物語』シリーズの第23巻です。本作のイラストはVOFANが担当しており、今作が新たに描く怪異の物語が展開されています。

概要

本作は現代の怪異を題材にしています。『終物語』で完結した〈物語〉シリーズがオフシーズンを経て復活したモンスターシーズンの第一作となります。物語の中心は、主人公の阿良々木暦（あららぎこよみ）が大学生時代に経験するさまざまな怪異事件です。本書では物語の話数がリセットされ、第一話「しのぶマスタード」が収録されています。また、パッケージイラストではヒロインの忍野忍（おしのしのぶ）が鬼の面を被った姿が描かれ、モノクロイラストでは忍とデストピアが視覚的に表現されています。

あらすじ

暦は高校を卒業した後、国立曲直瀬大学に進学し、穏やかな大学生活を送っていました。しかし、ある日、怪異の専門家である臥煙伊豆湖（がえんいずこ）に呼ばれ、病院で横たわる木乃伊を目にします。この木乃伊は、暦の母校の女子生徒であり、吸血鬼の襲撃を受けた結果、こうなってしまったのです。悲劇を解決するため、暦たちはこの吸血鬼の正体を追うことになります。

登場人物

• - 阿良々木暦（あららぎこよみ）：本作の主人公であり、国立曲直瀬大学の新入生。過去には高校三年生の際に吸血鬼となり、その名残で治癒能力と優れた視力を持っています。
• - 忍野忍（おしのしのぶ）：暦を吸血鬼にした女吸血鬼。かつては600年生きる怪異の王でしたが、現在はその力の多くを失っています。彼女は蚩尤を倒すための特別な妖刀「心渡」を所有し、豊富な技を使いこなします。
• - デストピア・ヴィルトゥオーゾ・スーサイドマスター：強大な吸血鬼であり、忍を吸血鬼にした元凶。
• - 貼交帰依（はりまぜきえ）：私立直江津高校の一年生で木乃伊の最初の被害者です。
• - 本能あぶり（ほんのうあぶり）：直江津高校の二年生であり、木乃伊の第二の被害者。
• - 臥煙伊豆湖（がえんいずこ）：怪異の専門家で、なんでも知っている自称おねーさんです。
• - 食飼命日子（はむかいめにこ）：暦と同じ大学に通う女子大生で、暗号の解読が得意です。
• - 阿良々木火憐（あららぎかれん）：暦の妹。

物語はさまざまな人物との結びつきや怪異との対峙を通じて進み、少年の成長を描いた感動的なストーリーが展開されます。今作では、孤独や友情、愛情がテーマとなっており、神秘的な存在との関わりを通じた人間ドラマが魅力です。

書籍情報

『忍物語』は西尾維新が著作し、VOFANがイラストを担当した作品で、2017年7月20日に第1刷が発行されました ISBNは978-4-06-283902-0です。

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