志水祐介

志水 祐介

日本の水球界において、長きにわたり中心選手として活躍した志水祐介（しみず ゆうすけ）氏は、1988年9月7日に熊本県熊本市で生まれた。ポジションはチームの要ともいえるフローターを務め、身長181cm、体重88kgという体格を活かしたプレースタイルで知られる。

志水氏が水球競技と出会ったのは、熊本市立京陵中学校の2年生の時だった。熊本ジュニア水球クラブで水球を始め、この競技の道を歩み出す。地元の熊本市立高平台小学校を経て京陵中学校を卒業後、埼玉県にある埼玉栄高等学校へ進学し、さらに筑波大学で競技を続けた。大学卒業後は、国内屈指の強豪クラブであるブルボンウォーターポロクラブ柏崎に加入。ここでは、中心選手の一人としてチームを牽引し、日本選手権優勝に大きく貢献するなど、国内での確固たる実績を築いた。

日本代表「ポセイドンジャパン」としてのキャリアは、2008年5月のワールドリーグアジアオセアニアラウンドでの初出場から始まった。以来、彼は代表チームに欠かせない存在となり、その中心選手として日本の水球を世界の舞台で戦わせる原動力となった。

彼のキャリアにおける最大のハイライトは、オリンピックへの2大会連続出場だろう。2016年のリオデジャネイロ大会、そして2021年に開催された東京大会と、日本の水球が再び世界に挑む歴史的な瞬間に、彼は選手として立ち会った。特にリオデジャネイロ大会では、ポセイドンジャパンのキャプテンという重責を担い、チームを精神面でも技術面でも支え、日本が世界の強豪に立ち向かう姿勢を示した。東京大会でもその経験と実力でチームを牽引し続けた。

国内での活躍に加え、志水氏は海外のトップリーグにも積極的に挑戦した。主な所属チームとして、オーストラリアのKFC BREAKERS、イタリアのPALLANUOTO BRECIA、ハンガリーのRACIONET HONVEDなどが挙げられる。水球強豪国のクラブチームでプレーした経験は、彼の選手としての幅を広げただけでなく、異なる文化や戦術を吸収し、それを日本に還元する貴重な機会となった。海外での厳しい環境下での経験は、ポセンドジャパンの強化にも間接的に寄与したと考えられる。

長年にわたり日本の水球界を牽引してきた志水氏は、2022年3月に現役からの引退を表明した。競技の第一線から退いた後も、水球への情熱は失われていない。2022年8月時点の情報では、成蹊大学水球部のコーチとして、若手選手の育成に携わっている。指導者としての新たなキャリアをスタートさせ、自身の豊富な経験を次世代に伝えている。

志水氏は、中学・高校の体育教員免許も所持しており、実際に新潟県で中学教員としての経験も持つ。この教育分野での経験は、引退後の指導者としての活動にも活かされていることだろう。また、競技活動中にテレビ番組「くりぃむクイズ ミラクル9」（2016年10月5日、テレビ朝日）や「杉谷拳士が取材中」（2023年7月19日・7月26日、テレビ朝日）などに出演し、水球という競技の知名度向上にも貢献した。

志水祐介氏のキャリアは、選手としての卓越した技術と精神力、そして国内外での豊富な経験に彩られている。日本の水球が世界との距離を縮める過程で、彼は常に重要な役割を果たしてきた。現役引退後は、指導者として、教育者として、日本の水球の未来を担う人材育成に力を注いでおり、今後の活躍も期待される。

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参考文献・外部リンク

志水祐介 公式ホームページ
志水祐介 オフィシャルブログ YUSUKE Diary
ブルボンウォーターポロクラブ柏崎
ポセイドンジャパン水球日本代表
J-Athleteplus マネジメント選手　志水祐介 - ウェイバックマシン（2017年2月14日アーカイブ分）
日本水泳連盟
waterpolo-world
水球情報発信マガジン　ウォーターポロ通信
* リオ五輪に挑む、水球男子日本代表の新しい戦術

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