志賀高原ホテル

志賀高原ホテル

志賀高原ホテル（しがこうげんホテル）は、かつて長野県下高井郡山ノ内町に存在した人気のホテルです。このホテルは、上信越高原国立公園の志賀高原地域に位置し、1937年に開業しました。開業の背景には、1930年代の昭和恐慌があり、国の支援を受けて長野県が全国で11番目の国策ホテルとして計画したものです。

ホテルのデザインと施設

このホテルは174室を擁し、ドイツ人の指導の下に建設されました。デザインは山小屋風で、訪れる客を温かく迎える印象を持ちます。双方向に広がるエントランスホールがあり、中央には大きな暖炉が設置されていて、非常に落ち着いた雰囲気を作り出しています。木材と石材が多く使われた内装は、白い壁と赤い絨毯との組み合わせで高級感を感じさせます。

さらに、2階と3階にはステンドグラスや日本画が飾られており、上品で落ち着いた空間が広がっています。これらの要素が融合し、訪問客に特別な体験を提供していました。

人気と変遷

戦前から1960年代にかけては、皇族を含む多くの観光客が訪れる著名な宿泊施設として知られていました。特に1970年代以降はスキーの人気が高まり、宿泊客が増加しました。それに伴い、ホテルの一部が改築され、設備が新しくされました。特に平成初頭のスキーブームの時期には訪れる観光客が最も多かったとされています。
しかし、1990年代末にはバブル崩壊やスキーブームの終焉に伴い客足が減少し、1999年にはとうとう廃業に至りました。

廃業後の再生

廃業した後、ホテルの敷地は一般財団法人和合会に取得され、その後解体されましたが、エントランスホールと一部の客室は残されました。2002年にはこの場所が「志賀高原歴史記念館」として一般公開され、地域の歴史や文化を学ぶ場として活用されています。この記念館は、地元出身のオリンピック選手・猪谷千春に関する展示を中心に、市民や訪問者に親しまれています。入館料は無料ということで、好評です。

また、2階にあった「カフェ・フォルスト」は2016年に開店したものの、2018年には閉店してしまいました。現在では、記念館がこの地域に訪れる人々に、新たな価値を提供しています。

アクセスの便利さ

志賀高原ホテルへのアクセスも良好で、長野電鉄の長野線にある「湯田中」駅からは長電バスを利用し、「丸池」停留所から徒歩約3分で到着します。また、上信越自動車道の「信州中野」インターチェンジからも約30分の距離です。

結論

志賀高原ホテルは、長い歴史を持ち、多くの人々に愛されてきた宿泊施設です。その華やかな歴史の後も、地域の文化を保存し、未来の訪問客に新たな魅力を提供している点が特徴です。

もう一度検索