応用
情報技術者
試験(Applied Information Technology Engineer Examination、略称AP)は、正式には国家
試験として位置づけられ、
情報処理技術者試験制度の一環として実施されています。これは、高度なIT人材を育成するために設計された
試験で、
情報処理の促進に関する法律に基づいて
経済産業大臣が実施しているものです。
対象者とスキルレベル
応用
情報技術者
試験の受験者は、高度IT人材として必要な知識や技能を持ち、専門的な方向性を確立していることを求められます。具体的には、
情報処理技術者試験制度のスキルレベル3に相当し、主に数年の実務経験がある
プログラマや
システムエンジニアが中心に対象になります。
この
試験は、以前の第一種情報処理
技術者認定
試験や
ソフトウェア開発技術者
試験の後継にあたるもので、システム
開発者だけでなく、
システムアドミニストレータ試験からの利用者側にも幅広く対応しています。そのため、
基本情報技術者試験合格者が次のステップとして選ぶ
試験区分としても広く認知されています。
試験内容と難易度
出題内容は多岐にわたりますが、応用
情報技術者
試験では、
基本情報技術者試験よりも深い知識が問われます。特に午後の
試験では、記述式の設問が多く、単なる知識だけでなく論理的思考や問題解決能力が強く求められます。最近のデータでは、受験率が約60%から65%、合格率は20%前後とされています。受験者層は主にITエンジニアや情報系の学部出身者が多く、学生や新人の受験者は少ないのが特徴です。
特に、
試験の難易度は
基本情報技術者試験と相対的であり、受験者全体が既に基礎的
技術を習得しているため、より高度なスキルが必要とされます。この状況により、合格することが難しいと感じる受験者も多いようです。
ステップアップの経路
かつては
基本情報技術者試験を経て応用
情報技術者
試験へのステップアップが一般的でしたが、
2016年度から情報セキュリティ
マネジメント試験が新設され、直接この
試験に挑戦する経路も設けられました。セキュリティ
マネジメントに合格しておくことで応用
情報技術者
試験におけるセキュリティ分野の問題にも対策が可能になりますが、必須解答の午前問題は注意が必要です。
他資格との比較
応用
情報技術者
試験は、難易度において
法律関連の
試験である
行政書士試験と類似しているとされています。また、
金融や会計に関する
試験、例えばFP技能士1級や
日商簿記検定1級と同様のレベルとも言われます。一方で、
基本情報技術者試験は比較的易しいとされ、宅建
試験に類似しています。
出題範囲
出題範囲は、
基本情報技術者試験とほぼ同じですが、応用
情報技術者
試験はより深い理解を要します。また、かつての
ソフトウェア開発技術者
試験の範囲に加え、システム
戦略や
監査に関する問題も含まれ、特定分野の専門家ばかりでなく幅広い知識を持つことが求められます。
受験形式
午前・午後の両
試験で合格基準はそれぞれ60%以上の得点が求められます。特に午後
試験は、記述式であり問題の選択が可能なので、自身の得意分野を選んで受験できる点が特徴です。
合格者特典
試験に合格すると、高度
情報処理技術者試験の早期受験における免除や公務員
試験での加点など、さまざまなメリットがあります。このように、応用
情報技術者
試験は、IT分野におけるキャリアアップに非常に役立つ
試験となっていることが分かります。