応順

応順（おうじゅん）は、五代時代の後唐において、李従厚（り じゅうこう）の治世、具体的には934年の正月から4月までの短い期間に用いられた元号です。

応順の時代背景

後唐は、唐滅亡後の五代十国時代の国家の一つであり、李存勖（り そんきょく）によって建国されました。しかし、内部対立や権力闘争が絶えず、政治情勢は不安定でした。李従厚は、李存勖の養子であり、明宗李嗣源（り しげん）の息子として帝位を継承しましたが、その治世は長くは続きませんでした。

元号「応順」の意味

元号は、皇帝がその治世を象徴するために定めるものであり、多くの場合、吉祥の意味を持つ言葉が選ばれます。「応順」という元号には、「天の意思に応じ、人々に順う」という意味合いが込められていると考えられます。しかし、李従厚の短い治世と、その後の後唐の混乱を考えると、「応順」という元号が、必ずしも時代の流れを反映していたとは言えないかもしれません。

応順の後の後唐

応順元年（934年）4月、李従厚は廃位され、叔父にあたる李従珂（り じゅうか）が皇帝に即位しました。李従珂は元号を清泰（せいたい）と改めました。その後、後唐は石敬瑭（せき けいとう）によって滅ぼされ、後晋（こうしん）が建国されることになります。

応順が示す歴史的意義

応順は、五代十国時代の激しい興亡の中で、一瞬だけ輝いた元号と言えるでしょう。この短い元号は、当時の政治的混乱と権力闘争の激しさを物語っています。歴史の表舞台に立つことは少ないですが、応順は、五代史を研究する上で、重要な手がかりとなる元号の一つです。

西暦・干支との対照表

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