忠武公李舜臣像 (光化門広場)

忠武公李舜臣像についての詳細

忠武公李舜臣像、または『チュウブコウリシュンシンゾウ』とは、韓国のソウル特別市光化門広場に位置する鋳造銅像です。この像は、韓国の偉大な武将であり歴史的英雄である李舜臣を象徴しています。像の設計はソウル大学教授、キム・セジュンによるもので、全高6.3メートル（基礎石含めて16.8メートル）で、重さは8トンにも及びます。

制作の背景

この銅像の歴史を振り返ると、日本の統治時代に遡ります。当時、拡張された太平路を元に戻そうという提案はあったものの、実行には大規模な費用が必要であったことから、代わりに「世宗路に日本が最も恐れる人物の銅像を設置しよう」との結論に至ります。その結果、韓国の近代史において特に敬意を表される李舜臣将軍の銅像を建設することが決定されました。

当時、韓国は経済的に困窮しており、製作には薬莢、真鍮の食器、さらには屑鉄までも使用されることとなりましたが、製作は何度もストップするなど、多くの困難に直面しました。最終的に、1968年4月27日に除幕式が行われました。

除幕後の意見と再制作の過程

しかし、像の除幕直後から様々な批判が寄せられました。銅像が右手に剣を握る姿勢が降伏を連想させるとの意見や、持っている剣が日本刀に似ている、中国風の鎧を着ているという指摘がなされたのです。これにより、1970年代後半に再制作の必要性が議論されることとなりましたが、1979年の朴正煕大統領暗殺事件や社会情勢の変化により、その計画は停滞しました。

位移と広場の整備

1994年には韓国政府が道の名称に合わせた銅像の移転を決定し、忠武公像を忠武路に移し、世宗路には世宗の像を新設する案が持ち上がりました。しかし、ソウル市が「忠武公像は世宗路の象徴である」と反対したことで、この案は実現しませんでした。

さらに時が流れて2006年12月、当時のソウル市長・呉世勲が「光化門復元計画」を発表しました。この計画には、光化門の復元だけでなく、世宗路と太平路を統合し、光化門広場として公園化することが含まれていました。この計画の中で、忠武公李舜臣像を残しつつ、世宗大王像も追加する試みが行われました。

現在の状況と今後

2019年1月21日、ソウル市は光化門広場の拡張計画を発表し、忠武公李舜臣像が世宗大王像とともに他の場所に移転されることになるとの設計案が出されました。しかし、計画が提案されるとすぐに批判が相次ぎ、最終決定は保留されました。このように、李舜臣将軍の銅像は、歴史的な価値から維持されるべきだとの意見も多く寄せられています。

忠武公李舜臣像は単なる銅像としてではなく、韓国の過去、現在、未来をつなぐ重要なシンボルとして存在しているのです。

もう一度検索