急性腰痛症

急性腰痛症（ぎっくり腰）とは

急性腰痛症は、突発的に腰部に激しい痛みが走る状態を指します。これは、関節の捻挫、筋肉や筋膜の損傷や炎症などが原因で起こります。英語では "acute low back pain" と呼ばれ、日本語では一般的に「ぎっくり腰」という通称で知られています。地方によっては「びっくり腰」とも呼ばれることがあります。

ドイツ語では中世から "Hexenschuss"（魔女の一撃）という表現があり、これはまさに、突然襲ってくる激しい痛みを表しています。

原因

急性腰痛症の原因は多岐にわたりますが、主なものとしては以下のものが挙げられます。

筋・筋膜性腰痛: 急な動作や無理な姿勢によって筋肉や筋膜が損傷することで起こります。
腰椎椎間板ヘルニア: 腰椎の椎間板が変形し、神経を圧迫することで痛みが生じます。
腰椎椎間関節捻挫 (ファセットペイン): 腰椎の椎間関節が捻挫することで炎症が起こり、痛みが生じます。
仙腸関節性腰痛: 仙腸関節の不安定や炎症が原因で腰痛が起こります。
スプラング・バック: まれに、棘間・棘上靭帯が損傷することで同様の痛みが発生します。

これらの原因は、年齢、運動不足、急な運動などが複合的に関わって発生することがあります。特にヘルニアは若年層に多い一方、筋肉系の問題は加齢とともに発生しやすくなります。

また、腫瘍が原因で腰痛が起こる場合もあります。この場合、夜間や安静時にも痛みが生じることが多く、ぎっくり腰のように明確な原因を特定できないことが多いです。

近年では、原因を特定できない腰痛を「非特異的腰痛」と呼ぶことがあり、ストレスがその一因となっている可能性も指摘されています。

予防策

急性腰痛症を予防するためには、日々の生活で以下の点に注意することが重要です。

荷物の持ち方に注意: 足場の悪い場所で無理な姿勢で重い物を持つことを避ける。
収納方法の工夫: 極端に重い物を持たずに済むように、物の配置や収納方法を工夫する。
労働環境の見直し: 睡眠不足や過労が続く場合は、作業内容の調整や配置転換を работодатель に相談する。
適度な運動: 日常的に適度な運動を行い、腰周りから背中にかけての筋肉を強化する。
ゴルフのプレイスタイルの見直し: 腰に負担のかかるプレイや練習を避け、リラックスして楽しむ。

これらの予防策を実践することで、急性腰痛症のリスクを大幅に減らすことができます。

参考文献

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寺沢秀一、島田耕文、林寛之『研修医当直御法度 : ピットフォールとエッセンシャルズ』（第4版）三輪書店、2007年4月。ISBN 978-4-89590-266-3。 
仲田和正『手・足・腰診療スキルアップ』株式会社シービーアール〈CBRレジデント・スキルアップシリーズ 4〉、2004年7月15日。ISBN 978-4-902470-06-2。 
仲田和正『骨太! Dr.仲田のダイナミック整形外科 上巻』株式会社ケアネット〈CareNet DVD. 臨床力を上げたいすべての医療者のための〉、2008年5月1日。ISBN 978-4-903331-28-7。 
仲田和正『骨太! Dr.仲田のダイナミック整形外科 下巻』株式会社ケアネット〈CareNet DVD. 臨床力を上げたいすべての医療者のための〉、2008年5月1日。ISBN 978-4-903331-29-4。

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