怪人二十面相

怪人二十面相について

怪人二十面相（かいじんにじゅうめんそう）は、著名な作家江戸川乱歩によって創作された架空の大怪盗である。彼は、特に明智小五郎という名探偵やその助手、小林少年、さらには少年探偵団と数々の激しい対決を繰り広げてきた。本名は遠藤平吉（えんどうへいきち）であり、その年齢は三十歳前後とされる。

二十面相の象徴とされる黒マント、タキシード、そしてアイマスクは、少年向け雑誌「少年倶楽部」の挿し絵から生まれたイメージであり、彼が登場する映画やドラマによっても頻繁に引用されてきた。しかし、乱歩の書いた原作の中には、この姿が示されることはなかった。彼は1936年に初めて登場し、1962年まで続いた主に少年向けの探偵小説シリーズの中で活躍していた。

変装の天才

二十面相は変装の達人として知られ、年齢や性別、立場を超えてさまざまな人物に化けることができる。彼はその変装技術を駆使し、「どんなに近くで見ても変装とはわからない」とまで言われている。また、彼は非常に狡猾な頭脳を持つと同時に、戦前はサーカスで曲芸師として活動していた経験から、優れた身体能力も持つ。これにより、彼の手法には特殊なトリックや仕掛け、道化師のような気まぐれさが表れる。

甘さと凶暴さ

一方で、彼には「人を傷つけたり殺したりすることは決してない」と自負しており、自ら「血が苦手」という言葉を強調している。彼は劇中でも人命を奪うことはせず、感情移入を示す場面も多く見られる。しかし、犯罪を重ねる中で、時には誘拐や脅迫といった卑劣な行為も行うことがあり、そのような面が彼のキャラクターの複雑さを際立たせている。

目的は美術品の収集

二十面相の最大の目的は、美しく、高価な美術品を盗むことであり、彼はこれらを「二十面相大美術館」の展示品として集めることを夢見ている。彼は現金にはあまり興味を示さず、その代わりに美術品に執着している。物語の中では、彼が数々の名画や宝物を狙い、それらを集めようとする様子が描かれる。しかし、彼の計画は常に明智小五郎の探偵としての鋭い洞察に阻まれてしまう。

結末と生死不明

物語の中で二十面相は21回捕まっており、そのうち19回は脱獄に成功している。彼の捕まり方はさまざまあり、しばしば自らの死を偽装したり、替え玉を使ったりして逃走するのが常だった。特に『少年探偵団』の中では、自爆を図るという場面も見られるが、その際も死体は見つからなかったため、彼の存在に疑念が持たれ続けた。

江戸川乱歩との関係

乱歩は「二十面相」シリーズを書いた理由として、探偵役が少年ではなく大人に任せることで物語がより面白くなるのではないかと考えた。そこで、名探偵明智小五郎の登場に至った。彼のキャラクターは、当時の未成年向け作品に新たな風を吹き込むものであり、彼の登場によって作品は飛躍的な人気を博した。

結論

怪人二十面相は、日本の文学において重要な位置を占めるキャラクターであり、彼にまつわる作品やメディアは今もなお生き生きとした魅力を持っている。彼の物語は、単なる盗みの物語ではなく、探偵との知恵比べや心理的な駆け引きが豊かに展開される、奥深いストーリーとなっている。そのため、彼のキャラクターへの関心は時代を超えて続いていくことでしょう。

もう一度検索