怪僧ラスプーチン (1954年の映画)

映画『怪僧ラスプーチン』解説

『怪僧ラスプーチン』は、1954年に制作されたフランスとイタリアの合作による歴史ドラマ映画です。ジョルジュ・コンブレが監督を務め、ピエール・ブラッスール、イザ・ミランダ、ルネ・フォールといった俳優陣が出演しています。

概要

この映画は、ロシア帝国末期に実在した僧侶であり、怪異な言動で宮廷にも影響力を持ったグリゴリー・ラスプーチンの生涯を描いたものです。彼の出現から、いかにして権力を手に入れ、そして破滅していったのかをドラマチックに描いています。美術監督はジャン・ドワリヌーが担当し、豪華なセットが映画を彩っています。

あらすじ

物語は、西シベリアに生まれたグレゴリー・イフィモヴィッチが、その神がかり的な言動で「ラスプーチン」と呼ばれるようになる場面から始まります。彼は独自の思想を唱え、肉体の快楽を通して魂が浄化されると説き、女性たちと公然と淫らな行為に及ぶようになります。その噂は広まり、やがて彼を信奉するイグナチェフ公爵夫人の紹介で、ロシア帝国の宮廷へと足を踏み入れることになります。

宮廷では、血友病を患う皇太子の治療に手を尽くしますが効果がありません。そんな中、ラスプーチンは奇跡を起こし、皇太子の病状を快方に向かわせます。この奇跡によって、皇帝一家からの絶大な信頼を得ることに成功し、政治にも深く関与していくようになります。

しかし、その奔放な言動と皇室への影響力は、貴族や保守派からの反感を買い、次第に追い詰められていきます。ラスプーチンの権勢は頂点を極める一方で、暗殺計画が密かに進行していくのでした。

キャスト

ラスプーチン: ピエール・ブラッスール
皇后: イザ・ミランダ
皇帝: ロベール・ビュルニエ
プラスコヴァ: ミシュリーヌ・フランセイ
ヴェラ: ルネ・フォール
ラウラ: ミリー・ヴィターレ
ユーリ: ジャック・ベルティエ
アレクサンドル: クロード・レーデュ
公爵夫人: ドニーズ・グレー

スタッフ

監督: ジョルジュ・コンブレ
美術監督: ジャン・ドワリヌー

映画のポイント

ラスプーチンの怪演: ピエール・ブラッスールが、怪僧ラスプーチンの異様な魅力を圧倒的な存在感で演じきっています。
豪華な宮廷セット: ジャン・ドワリヌーによる美術は、帝政ロシアの華麗な雰囲気を再現し、物語に深みを与えています。
歴史的背景: ラスプーチンの生涯を通して、帝政ロシア末期の社会情勢や、皇室の退廃を描き出しています。

参考文献

Orio Caldiron & Matilde Hochkofler. Isa Miranda. Gremese Editore, 1978.

外部リンク

怪僧ラスプーチン - IMDb（英語）

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