ピエール・ブラッスール

ピエール・ブラッスール（Pierre Brasseur, 1905年12月22日 - 1972年8月16日）は、フランスを代表する俳優の一人です。本名をピエール＝アルベール・エスピナス（Pierre-Albert Espinasse）といい、パリで生まれました。彼の俳優としてのキャリアは、ブッフ・パリジャン劇場でモーリス・シュヴァリエの演技に感銘を受けたことがきっかけでした。

ブラッスールは、1920年代には芸術運動にも積極的に関わっていました。パブロ・ピカソ、マックス・ジャコブ、ルイ・アラゴン、アンドレ・ブルトン、ポール・エリュアール、バンジャマン・ペレらとともにシュルレアリスム運動に参加し、機関紙『シュルレアリスム革命』に寄稿するなど、芸術家としての側面も持っていました。

舞台俳優としても、アルベール・カミュ作の『戒厳令』、ポール・クローデル作の『真昼に分かつ』といった作品で主演を務め、ジャン＝ポール・サルトル作の『悪魔と神』にも出演するなど、その演技力は高く評価されました。

私生活では、1935年に作家としても知られる女優オデット・ジョワイユと結婚し、翌年には息子クロード・ブラッスールが誕生。クロードもまた俳優として活躍し、親子二代でエンターテイメントの世界で名を馳せました。

映画俳優としては、数々の名作に出演しており、その存在感は観客を魅了し続けました。出演作品には、『コニャックの男』（1971）、『ペルーの鳥』（1968）、『まぼろしの市街戦』（1966）、『顔のない眼』（1959）、『青ひげ』（1951）、そして名作『天井桟敷の人々』（1945）などがあります。

以下に、主な出演作品をまとめます。

コニャックの男 (Les Mariés de l'an II, 1971)
愛の島ゴトー
ペルーの鳥 (Les oiseaux vont mourir au Pérou, 1968)
まぼろしの市街戦 (Le Roi de Cœur, 1966)
帰ってきたギャング
城の生活
恋人たちの世界
黒い情事
悪い女
港町
ヒッチ・ガール
素晴らしき恋人たち
汚れなき抱擁
家なき子
顔のない眼 (Yeux sans visage, 1959)
カルタゴ
大家族
掟
リラの門
悪の塔
ナポレオン
怪僧ラスプーチン
やぶにらみの暴君 
快楽
青ひげ (Barbe-Bleue, 1951)
失われた想い出
死の肖像
火の接吻
一日だけの天国
枯葉　―夜の門―
星のない国 (Le Pays sans étoiles, 1946)
ジェリコ作戦
天井桟敷の人々（第一部：犯罪大通り、第二部：白い男）(Les enfants du Paradis, 1945)
高原の情熱
霧の波止場 (Le Quai des brumes, 1938)

ブラッスールは、その多才な才能と独特な存在感で、フランス映画界に大きな足跡を残しました。彼の出演作品は、今もなお多くの人々に愛され続けています。

関連項目
クロード・ブラッスール（息子）

外部リンク
ピエール・ブラッスール - IMDb（英語）
Pierre Brasseur - Ciné-Ressources
Interview Pierre Brasseur - Institut national de l'audiovisuel（ブラッスールのインタビュー、1960年2月20日）
Mort de Pierre Brasseur - Institut national de l'audiovisuel（インタビュー、演劇の一場面等、1972年8月15日）- フランス国立視聴覚研究所

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