怪獣自衛隊

『怪獣自衛隊』とは

『怪獣自衛隊』（かいじゅうじえいたい）は、井上淳哉による日本の漫画作品で、2020年4月から『月刊コミックバンチ』で連載されています。この作品は、未知の巨大生物と戦う自衛隊や警察の活動を中心に描かれています。ただ単に怪獣との戦闘を描くだけではなく、縦割り行政の弊害や日本の国際関係、外交問題にも焦点を当てたシリアスな内容となっているのが特徴です。

作品の概要

『怪獣自衛隊』は、2020年6月号の『月刊コミックバンチ』にプロローグが掲載され、その後2024年5月号まで連載が続きました。最終号を迎えた後は、『コミックバンチKai』に移籍し、2024年4月からさらに新たな連載が始まります。2024年1月時点で、単行本の累計部数は80万部を超えています。

主なあらすじ

プロローグ

令和X年、日本の沖ノ鳥島で「巨大なバケモノ」が出現したとの報告があり、海上自衛隊の護衛艦「くれづき」が救援に向かいます。しかし、怪獣の襲撃を受け、艦は転覆、政府はこの事件を「原因不明の事故」と発表することになります。

富岳事件

くれづき事件の4年後、怪獣が尖閣諸島の南小島に現れます。海上保安庁の巡視船「やえやま」が怪獣を発見しますが、中国の海警船との交戦となり、怪獣によって沈没します。船底に張り付いた怪獣が乗客を捕食する中、やがて自衛隊が派遣され、怪獣が撃退されることになります。

南小島事件

富岳事件から4ヵ月後、政府は特措法を制定し、怪獣対策のための専門機関「特殊災害対策室」（TaPs）を設立します。怪獣の卵の調査を命じられたTaPsは、南小島に上陸し、卵を発見。調査中に怪獣の幼体の襲撃を受けますが、一部は撃退されます。

首都出現

隅田川では怪獣が目撃され、警察が対応に追われる中、東京都は「特殊生物災害対策本部」を立ち上げます。しかし、怪獣が現れず、約2週間後に隅田川で自衛隊と怪獣の交戦が行われます。ここでは怪獣が特定の人物に執拗に襲いかかる様子が描かれます。

ジュピタータワーの攻防

ジュピタータワーに避難した人々は、怪獣の追跡を受け、警視庁の緊急対応部隊（ERT）が駆けつけることで対策を試みます。この間、アメリカ軍との情報共有も行われ、怪獣に関する新たな情報が判明します。

主要人物

防人このえ

本作のヒロインで、高知県出身の自衛隊員です。災害派遣で救助された経験から、自衛隊に志望することになります。自身の訓練と任務遂行との間で葛藤しながら怪獣と戦います。

大和令和

もう一人のヒーローで、海上自衛隊の指揮官です。過去の悲劇を抱えながらも、巨大生物との戦闘に挑む姿が描かれています。

まとめ

『怪獣自衛隊』は、エンターテイメントとしての側面に加えて、日本社会が抱える問題を提起し、深いメッセージ性を持つ作品です。特に自主防衛の重要性と国際関係の複雑さが、怪獣との戦いを通じて浮き彫りにされています。

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