恋するアンチヒーロー

恋するアンチヒーロー

『恋するアンチヒーロー』は、劇作家・羽仁修作が手掛けた日本の演劇作品です。2012年に羽仁の劇団・演劇集団イヌッコロの第5回公演として初演され、その後、イヌッコロによる再演の他、様々な劇団によって繰り返し上演されています。

概要

本作は、戦隊ヒーローものにおける「悪の秘密結社」側を主人公にしたラブコメディという異色の設定が特徴です。カフェという限られた空間を舞台にしたワン・シチュエーション・コメディで、予測不能な展開と個性的なキャラクターたちが織りなす物語が、観客を笑いの渦に巻き込みます。

2019年には『恋するアンチヒーロー THE MOVIE』として映画化もされ、舞台ファンのみならず、幅広い層に支持されています。

あらすじ

物語の主人公は、ごく普通の青年・真中。就職活動に失敗し、何気なく目にした求人雑誌の募集広告を見て、世界征服を企む悪の秘密結社・シャムニャーンの戦闘員となります。しかし、真中は世界征服には全く興味がなく、仕事を辞めたいと思っている日々。

物語は、真中が勤務中に立ち寄ったカフェで繰り広げられます。同僚の新田と佐々木は、真中がカフェの女性店員である菜々と美樹のどちらに恋心を抱いているのかを詮索します。真中が密かに想いを寄せているのは、正義のヒーロー・ガルルンジャーの大ファンである菜々。菜々の気を引こうとした真中は、自分がガルルンジャーの一員であるガルグリーンだと嘘をついてしまいます。

嘘を重ねた真中は、新田や佐々木、そして偶然カフェに現れたシャムニャーンの怪人・ヘルタイガーと協力し、菜々の前でガルグリーンとしてヘルタイガーを倒すという芝居を計画します。しかし、そこへ本物のガルルンジャーが現れ、事態は思わぬ方向へと転がっていきます。

登場人物

真中: シャムニャーンの戦闘員。菜々に恋心を抱き、嘘をついてしまう。
菜々: カフェ店員。ガルルンジャーの大ファン。
新田: シャムニャーンの戦闘員。真中の同僚。
佐々木: シャムニャーンの戦闘員。真中の同僚。
ヘルタイガー: シャムニャーンの怪人。
ガルレッド: ガルルンジャーのリーダー。
ガルピンク: ガルルンジャーのメンバー。

公演情報

『恋するアンチヒーロー』は、2012年の初演以降、様々な形で再演されています。

2012年：演劇集団イヌッコロ第5回公演（テアトルBONBON）
2012年：イヌッコロ SHOW CASE ver.1（劇場HOPE）
2014年：イヌッコロ SHOW CASE ver.2（劇場MOMO）
2015年：イヌッコロ×ACTOLI×シザーブリッツ トリプルコラボ公演（サンモールスタジオ）
2017年：シザーブリッツ公演（Theater新宿スターフィールド）
2018年：ROCHAプロデュース公演（劇場MOMO）
2018年：イヌフェス（劇場MOMO）
2019年：Enthena主催公演（劇場MOMO）
2020年：De-STYLE主催公演（三越劇場 ※中止、無観客配信）
* 2021年：WBB10周年記念公演（赤坂RED/THEATER|赤坂RED_THEATER）

映画

2019年には、映画版『恋するアンチヒーロー THE MOVIE』が公開されました。高崎翔太が主演を務め、舞台版とは異なるオリジナル要素も盛り込まれています。

まとめ

『恋するアンチヒーロー』は、悪の秘密結社を舞台にした斬新な設定と、個性的なキャラクターたちが織りなす笑いが魅力の作品です。舞台、映画と様々な展開を見せており、今後も多くのファンを魅了し続けることでしょう。

もう一度検索