恋するデビー

恋するデビー（マイ・ソングのテーマ）

「恋するデビー」または「マイ・ソングのテーマ」（原題：You Light Up My Life）は、1977年に公開された映画『マイ・ソング』の主題歌です。この曲は映画の主演女優であるディディ・コンの歌唱シーンをCMソング歌手兼セッション歌手のケイシー・シシクが吹き替えを担当しました。曲はアカデミー歌曲賞とゴールデングローブ賞の主題歌賞を受賞し、高い評価を受けました。作詞・作曲は映画の監督であるジョセフ・ブルックスが手掛けました。映画公開前の8月16日にはパット・ブーンの娘であるデビー・ブーンがこの曲でソロデビューし、10月から長期の「Billboard Hot 100」で1位に輝くこととなります。

この曲は、ロック時代のビルボードチャートでエルヴィス・プレスリーの11週連続1位に次ぐ2位の記録を打ち立てました。また、翌年にはグラミー賞最優秀楽曲賞も受賞しています。

ショッキングな背景

面白いことに、この主題歌は映画の宣伝を兼ねているにもかかわらず、シシクが吹き替えで歌ったレコードが市場で目立たず、ヒット曲の地位を築いたのはデビー・ブーンでした。これはシシクのレコード契約が、ブルックスのさらなる妨害に遭い、シシクの歌声を使用した映画のバージョンが「Billboard Hot 100」でさえ最高80位に止まったためです。シシクは映画内で花嫁介添人役として名前はクレジットされたものの、音楽スタッフとしての記載はありませんでした。

デビー・ブーンが歌うバージョンの制作の際、映画のオリジナル音源が使用されました。これが原因で、当時ブーンの歌声だと気付かない観客も多かったという逸話もあります。ブーンの独自のスタイルを求める声があったものの、彼女はシシクに似せるよう指導を受けたため、彼女の印象が薄まりました。インタビューでも、ラブソングであるにもかかわらず「You」の意味を尋ねられた際に「主（Lord）」と答えたことで、彼女自身の曲への理解度が試される結果となったのです。

評価と栄光

2000年代における歴代映画主題歌ランキングでは、売上重視のランキングで1位を取る一方で、映画自体の出来については酷評されるなど、評価は分かれています。興行的には成功を収めたものの、作品の質が問われるのは興味深いところです。

一方、ブルックスは2009年に逮捕され、これに続く数々のスキャンダルが彼の名声をも貶めました。2011年には自殺し、息子も2010年に女性を殺害したとして有罪判決を受けるなど、家族は悲劇に見舞われました。

シングルとアルバムの詳細

「恋するデビー」はビルボードで最高順位1位を獲得し、1977年度の年間ランキングでも3位に輝きました。同じ規格品番で邦題が異なる版も存在することが特徴です。シングルは次の内容を収録しています。

シングル

Side:A

• - You Light Up My Life／恋するデビー（マイ・ソングのテーマ）　－（3分55秒）

Side:B

• - Hasta Mañana／落葉のメロディ（英語版）　－（3分13秒）

また、1977年には同じワーナー・パイオニアからLPレコードも発売されています。

アルバムの収録曲

Side:A

• - You Light Up My Life／恋するデビー（マイ・ソングのテーマ）　－（3分55秒）
• - A Rock And Roll Song／わたしのロックンロール　－（3分30秒）
• - Micol's Theme／ミコールのテーマ　－（3分7秒）
• - It's Just A Matter Of Time／いつか幸福が　－（3分2秒）
• - Hey Everybody／ヘイ・エヴィリボディ　－（4分26秒）
• - 愛を見つめて／When I Look At You (My Love) 　－（3分50秒）

Side:B

• - From Me To You／フロミ・ミー・トゥ・ユー　－（2分20秒）
• - Baby, I'm Yours／ベイビー・アイム・ユアーズ　－（2分36秒）
• - When The Lovelight Starts Shinning Through His Eyes／恋のキラキラ星　－（3分9秒）
• - End Of The World／この世の果てまでも　－（2分31秒）
• - Your Love Broke Through／愛がさめたあとに　－（2分57秒）
• - Hasta Mañana／落葉のメロディ　－（3分13秒）

このように「恋するデビー」は、ただのヒット曲ではなく、映画の歴史や文化においても重要な役割を果たした楽曲であることが理解されます。

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