恋するポルノ・グラフィティ

『恋するポルノ・グラフィティ』

概要

『恋するポルノ・グラフィティ』（原題：Zack and Miri Make a Porno）は、2008年にアメリカ合衆国で製作されたロマンティック・コメディ映画です。監督と脚本はケヴィン・スミスが務めました。経済的な困難に直面した幼馴染の男女が、起死回生を狙ってポルノ映画の自主製作に乗り出すというユニークな設定が特徴です。アメリカでは劇場公開されましたが、日本では劇場公開は見送られ、直接ビデオソフトとしてリリースされる、いわゆるビデオスルーとなりました。

ストーリー

物語の舞台はペンシルベニア州にある架空の街、モンロービルです。主人公は、幼い頃からの友人であるザックとミリ。彼らはルームシェアをしながら暮らしていますが、お互いに定職を持たず、家賃を滞納するなど経済的に非常に厳しい状況に置かれています。電気や水道といったライフラインが止められてしまうほど、彼らの生活は困窮を極めていました。

そんなある日、二人は高校時代の同窓会に出席します。そこでミリは、長年憧れていた同級生のボビーに思い切って気持ちを伝えます。しかし、ボビーは実はゲイであり、ミリの恋はあっけなく終わりを迎えます。失意のミリに加え、家賃滞納で追い詰められたザックは、同窓会でのボビーのパートナー、ブランドンの話を思い出します。ブランドンがゲイポルノ俳優として高額なギャラを得ていると聞いたザックは、この状況を打開するための突飛なアイデアを思いつきます。

それは、自分たち自身でポルノ映画を製作し、その収益で借金を返済しようというものでした。最初は戸惑うミリでしたが、他に手立てがない状況から、ザックの提案に乗ることを決意します。こうして、ザックとミリは一念発起し、ポルノ映画製作プロジェクトを始動させます。

彼らは、この大胆な計画に賛同してくれる協力者や、撮影に必要な機材をかき集め始めます。目指すは、他の映画のパロディ要素を取り入れたオリジナルのポルノ映画です。素人ながらも、彼らは様々な困難に直面しながら、映画製作という未知の世界に飛び込んでいきます。この破天荒な試みを通じて、ザックとミリの関係性は新たな局面を迎えることになり、単なる幼馴染としての友情だけでなく、お互いに対する複雑な感情や、人生に対する向き合い方が描かれていきます。映画製作の過程で起こる予期せぬ出来事や、集まる個性豊かなスタッフたちとの交流を通して、彼らは自分たちの人生や、友情と恋愛の境界線について改めて考えさせられることになります。

スタッフ

監督：ケヴィン・スミス
製作：スコット・モシャー
製作総指揮：カーラ・ガーディニ、ボブ・ワインスタイン、ハーヴェイ・ワインスタイン
脚本：ケヴィン・スミス
撮影：デヴィッド・クライン
音楽：ジェームズ・L・ヴェナブル

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