恋に捧げて〜ヴィクティム・オブ・ラヴ

『恋に捧げて〜ヴィクティム・オブ・ラヴ (Victim of Love)』

エルトン・ジョンのアルバム『ヴィクティム・オブ・ラヴ』は1979年にリリースされ、彼の音楽キャリアにおける特異な一面を示しています。このアルバムは、エルトンが当時直面していた音楽的方向性の模索を反映した作品であり、自身による楽曲制作は行われず、全ての曲がプロデューサーのピート・ベロッテに委ねられています。

音楽的背景と特徴

『ヴィクティム・オブ・ラヴ』は、エルトン・ジョンにとって新たなアプローチを試みたアルバムであり、ユーロビートやディスコ音楽の要素が取り入れられています。エルトン自身は歌唱に専念しており、彼の音楽への旺盛な探求心は楽曲の中にも色濃く表れています。しかしながら、評論家の評価は芳しくなく、商業的にも期待された成果は得られませんでした。

アルバム収録曲

アルバムには以下のトラックが収められています。

1. ジョニー・B.グッド (Johnny B. Good) - チャック・ベリーの著名な楽曲をカバー。
2. 愛の世界 (Warm Love In A Cold World)
3. ボーン・バッド (Born Bad)
4. サンダー・イン・ザ・ナイト (Thunder In The Night)
5. スポットライト (Spotlight)
6. ストリート・ブギー (Street Boogie)
7. 恋に捧げて・・・ (Victim Of Love)

これらの曲は、主にピート・ベロッテが作詞と作曲を担当し、他にも多くのクリエイターが関与しています。

参加ミュージシャン

アルバムに参加したミュージシャンたちも印象的です。ドラムにはキース・フォーセイが、ベースにはマーカス・ミラーが参加しており、リードギターにはクレイグ・スナイダー、リズムギターにはティム・キャンスフィールドが名を連ねています。また、キーボードにはトール・バルドルソンとロイ・デイヴィスが、パーカッションにはパウリーニョ・ダ・コスタが従事しました。

さらに、7曲目ではマイケル・マクドナルドとパトリック・シモンズがバックコーラスを担当し、スティーヴ・ルカサーが2、3曲目でギターソロを披露しています。

製作と音楽スタイル

製作面では、ピート・ベロッテが総指揮をとり、サウンドのアレンジにはトール・バルドルソンが関わりました。エンジニアリングはピーター・リュードマンが担当し、音楽的なクオリティを確保しています。このアルバムは、エルトン・ジョンの多様な音楽スタイルとその時期の試みを体現しており、聴く者に新たな音楽の側面を提供しています。

まとめ

『恋に捧げて〜ヴィクティム・オブ・ラヴ』は、エルトン・ジョンの音楽の進化と探求心を示す重要な作品です。リリース当初は賛否が分かれたものの、彼の音楽に対する姿勢や多才な表現力は、今なお多くのファンに愛されています。このアルバムを通じて、エルトン・ジョンの新たな一面を感じてみてはいかがでしょうか。

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